バレエを"やらない人"が老舗バレエ用品メーカー「チャコット」で買い物をする理由 今やバレエだけじゃない意外な成長柱
どの業界にもその業界内で絶大な知名度を誇り、知らない人はいないブランドやメーカーがある。だが、裏を返せば、その業界と接点がない人にとってはあまり聞いたことのない企業ともいえるかもしれない。
バレエ業界において、それは、1950年創業、今年75周年を迎えた老舗バレエ用品メーカー「Chacott(チャコット)」だ。しかし、そのチャコットが今、一般女性への認知が急拡大している。それはなぜか。背景を追った。
チャコットの大変化
老舗バレエ用品メーカー「Chacott(チャコット)」をご存じだろうか。よく知っているという人は、少なからず今までの人生でバレエと何らかの接点があった人だろう。トゥシューズにレオタード、バレエ用タイツに舞台メイク、バレエに関するものなら何でも揃う。日本でバレエをするなら知らない人はいないブランドだ。
本来なら、バレエ関係者以外の目に触れることはあまりなかったそのブランド名を、最近、街なかで見かけることが増えた。
玉川高島屋S.C.、大丸心斎橋、札幌PARCO、博多阪急などのテナントで、さらにはロフトやハンズ、ドン・キホーテといったバラエティショップに設けられたコスメコーナーで、日常生活の中で触れる機会が増えているのだ。
実は、日本はバレエ大国。国内には4200を超えるバレエ教室があり、3歳以下の幼児〜80代まで生徒数は25万人超いるといわれている(2021年現在、日本バレエ団連盟)。
ただ、日本も少子化の影響もあり、バレエ人口は減少傾向にある。日本のバレエ人口は約25万人と述べたが、それ以前は11年には約40万人、16年には約36万人と、生徒数の減少率は国民人口減少率を大きく上回っている。
そんな状況下、18年にチャコットの会長に就任し、20年3月から社長をつとめるのが馬場昭典氏だ。
馬場氏はオンワード樫山で長年アパレル業界に身を置いてきた。11年、弱冠43歳でオンワード樫山の社長に抜擢、17年にオンワードホールディングス副社長就任後、18年にチャコット会長に着任した。チャコットの業績を着実に成長軌道に乗せ、25年2月期には売上高101億円、営業利益8.4億円と営業利益はコロナ禍前の20年2月期の5.7億円を大きく超えた。


















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