高市首相は、アベノミクスの復活に向けたキャンペーンにも同様の非現実性を持ち込んでいる。高市首相は、安倍元首相の金融緩和という「第一の矢」で、これまでの十年間の敵であるデフレの克服という戦いを挑もうとしている。
しかし、今日の敵はデフレではなく、スタグフレーションだ。これは、消費支出とGDPの停滞にインフレが組み合わさった現象だ。
スタグフレーションはジレンマを生む。なぜなら、高金利でインフレに対処しようとすれば、低金利で停滞した経済を刺激することが難しくなるからだ。オックスフォード・エコノミクスの日本分析責任者である永井滋人氏は、「ほとんどの人が、元々のアベノミクスはもはや機能しないと理解している」とコメントした。

疑問視される「高圧経済」論
同様に、高市首相は安倍元首相の「第二の矢」である財政出動を魔法の特効薬と見ている。高市首相は、多額の政府支出によって生み出される「高圧経済」が賃金を引き上げると主張する。
本当にそうだろうか? 長年にわたるこれほど多くの財政・金融刺激策にもかかわらず、労働時間あたりの生産高は伸びた。それなのに、なぜ実質賃金は1995年の水準より高くならないのだろうか。
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