そして、ヨガの魅力に目覚めた松田さんは損保会社を辞め、ヨガインストラクターに転職した。
「新卒で入って3年目の年だったのですが、ちょうど転職を考えていた時期でもあったので、思い切ってヨガインストラクターとして働くことにしました。自分の心や身体とじっくり向き合う時間の大切さを知り、それを周囲にも提供できる人間になりたかったんです」
給与や福利厚生は損保会社のほうが良かったが、それ以上に「自分のやりたいこと」に気づいた松田さんにとって、転職に迷いはなかった。
歩行すら困難になるも…訪れた“新たな出会い”
こうして、松田さんはヨガインストラクターとして心身ともに充実した日々を過ごしていた。
しかし、試練は突然やってきた。坐骨神経痛を発症し、ヨガができなくなってしまったのだ。
坐骨神経痛とは、お尻から足にかけての「坐骨神経」がさまざまな原因で圧迫・刺激されて起こる、痛みやしびれなどの症状のこと。
「当時の私はまだ未熟だったので、知らず知らずのうちに無理な身体の使い方をしてしまっていたみたいなんです。だんだんと身体に負担が蓄積していって、そのツケがきたかたちですね」
しかも、松田さんの症状はかなり重く、一時期は足を引きずらないと歩けなかったそう。
「自分軸を持つ大切さ」を気付かせてくれたヨガが、ある日突然奪われた。その絶望は計り知れないものだっただろう。
しかし、当の松田さんは「まったく落ち込んでいなかった」という。
「身体はしんどかったですが、元々あまり先々のことを憂うタイプではないので、そこまで不安にはならなかったですね(笑)。むしろ、『今の自分にできることは何かないかな』と思って、改善法を調べたり、知り合いに聞いたり、とにかくいろいろリサーチしていました」
そして、そのリサーチによって、松田さんは現在の仕事でもあるピラティスと出会った。



















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