狙うは「ハネムーン解散」、となれば"決戦"は年明けか? 永田町に広がり始めた衆議院《早期解散説》の現実味
だが厳しさも感じているようで、早速その日の夜に地元の創価学会員と会合を持っている。「こちらの票があちらに流れれば、2倍の効果がある。それだけは阻止しなければいけない」と意を決した。
26日に投開票された宮城県知事選で、自公の支援を受けた村井嘉浩知事は34万0190票を得て6回目の当選を果たした。参政党の支援を得た和田政宗前参院議員とは、わずか1万5815票の差だった。
当初は泡沫候補扱いだった和田氏に勢いが出たのは、9月19日に参政党が独自候補の擁立を見送り、和田氏と政策覚書を交わしてからだった。「宮城県には2度入る」と約束した神谷宗幣代表だったが、最終的には4度「宮城入り」した。その結果、仙台市の4つの区のすべての投票数で和田氏は村井氏を上回り、村井氏に当選確実がついたのは夜の11時を過ぎていた。
 
「高市政権としての最初の選挙で、とりあえず勝つことができてよかった」と、自民党の関係者は胸をなでおろした。高市首相は村井氏を応援したが、和田氏にも安倍昭恵夫人から応援メッセージが寄せられ、「早苗 vs. 昭恵」の戦いにもなっていた。
参政党が支援したため、若年層の多くは和田氏に投票した。「天候が悪く、投票率が46.5%と低かったことがわれわれに幸いした。もしこれが高ければ……」と、前出の自民党関係者は首をすくめた。
もし天候が良くて投票率が高かったら、どうだったのか。たまたま投票率が低いために高市首相が応援した村井氏が当選したというのなら、衆院早期解散説は高市首相の運に自民党の命運を賭けるということになる。
それに乗っかろうとしているのが、日本維新の会だろう。同党の吉村洋文代表は、議員定数の削減を自民党との連立の絶対条件に挙げている。遠藤敬国対委員長は29日のネット番組に出演し、「一定の成果を出してから」と慎重な姿勢を示しているが、その成果を維新が急かす可能性も否定できない。
2つの後ろ盾を得た高市首相の決断は?
前回の衆院選は昨年10月に行われたばかりだが、政治に勝つには「決断する能力」がモノを言う。安倍元首相は前回の衆院選から2年も経たない2014年11月に解散を決め、12月の選挙で自民党は291議席を維持した。
その際に、消費税が同年4月に5%から8%まで引き上げられたが、15年4月に予定されていた10%への引き上げを17年4月へ先送りすべきかどうかの是非を問うという、“超越したレトリック”を用いている。その結果、第2次安倍政権は7年8カ月もの長期政権となった。
高市首相が自民党総裁選で勝利したとき、多くの関係者はその任期は27年9月までと考えた。しかし、トランプ大統領のエスコートで世界の表舞台に躍り出たからには、歴史に大きく名を刻みたいと願っているに相違ない。それには頑強な自民党という“地盤”が必要。高い国民的人気とトランプ大統領という強大な支援を得た高市首相は、どこで“決断”するのだろうか。
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