前述のサランドスCEOの発言にある「プロのつくり手は優位に立てる」という言葉は、裏を返せば、たんに知識やスピードに頼るだけではポジションを維持できないという警鐘でもあります。
それでも「人にしかできない仕事」は残る
もちろん、すべての仕事がAIに置き換えられるわけではありません。
ビジネスの現場では、人が介在することで価値が高まる仕事が確実に存在します。
商取引や決済のプロセスには、最終確認や承認といった“人の介入”が欠かせません。
また、商談などでの顧客との対話や、部下へのフィードバックなども、人の表情・声・意図が伝わることで納得感が生まれます。
「人から直接言われたほうが腹落ちする」と感じる人は、少なくないでしょう。
加えて、そもそも生成AIが学習しようがない情報(暗黙知などが代表的です)については、生成Iも無力です。そして、改めて言うまでもなく、いわゆるブルーカラーの仕事もそうです。
この領域こそ、人間の介在価値が残る領域だといえるでしょう。
したがって、楽観的に構えるのは危険ですが、人が担うべき仕事、そして人が担ったほうが圧倒的にいい仕事は、まだ数多く存在します。
ここまで見てきたように、焦点は「どれほどの仕事が残るのか」に移ります。
2割程度のタスクが代替される程度ならまだしも、もし8割が代替されるとなれば、雇用構造そのものが揺らぐ可能性があります。
単純計算では、5人中4人が職務機会を失うことになります。そのとき企業には、2つの選択肢があるでしょう。
ひとつはリストラ。そしてもうひとつは、新たな事業・サービスを展開し、そこに人材を再配置することです。
企業の持続的成長を考えるなら、後者の選択肢を真剣に視野に入れる必要があります。
次回は、その「新たな打ち手」について考えていきたいと思います。
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