その中でも最もインパクトのある発言をしたのが、米フォードのジム・ファーリーCEOです。彼は「AIはアメリカのホワイトカラーの半分を置き換えるだろう」と述べました。
“奪うか奪わないか”という二元論から、“どのくらい減るのか”という量的議論にシフトさせた点、そしてそれをテック業界以外のCEOが語った点が注目されます。
すでにアメリカのNYメロン銀行では、AIエージェントにメールアドレスを与え、まるで社員のように扱う取り組みも始まっています。
メールアドレスは社内コミュニケーションの入口であり、各種システムのログインIDでもあります。いずれはTeamsなどで、AIが人間の同僚と直接やりとりを行うようになるかもしれません。
こうした流れを受け、「自分の仕事も遠からず生成AIに代替されるのではないか」という不安を抱くホワイトカラー層は少なくないでしょう。
2025年もそろそろ終わりを迎える今、「奪われる・奪われない」という単純な構図を超え、「人のタスクの一部は確実に代替される」という認識が広がったことは重要な変化です。
「下位タスク」から、確実に代替は進む
アメリカではすでにリストラが進み、日本でも同様の傾向が見られます。
新卒採用の抑制も始まり、特にシステム開発やマーケティング分野では、生成AIによる仕事の代替が目に見えて一般化しています。
私のクライアント企業のいくつかでは、外注していたシステム開発費やマーケティング関連費を、昨年から大幅に削減しています。
私が長年身を置くコンサルティング業界は、かつては「AIによる代替は難しい」と考えられていました(当時から業界内では懐疑的な声も多かったのですが)。いまのところ国内では派手なリストラや採用縮小は起きていませんが、水面下では準備が進んでいるとみてよいでしょう。



















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