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「AI導入→"黒字なのにリストラ"」踏み込む企業が見過ごす重大"落とし穴"

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  • 大野 隆司 経営コンサルタント、ジャパン・マネジメント・コンサルタンシー・グループ合同会社代表
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投資家・金融機関・親会社などからのKPIプレッシャーが強い企業は、「リストラによるコスト削減」と「値上げによる収益改善」に抗うのは難しいという事実があります。

実際、仮想化ソフトウェアで知られるVMwareがBroadcomに買収されたとたんに値上げしたことで、多くの混乱が起こった(起こっている)ことはIT業界では有名な話です。

とくに、製品やサービスの基盤をまだ確立できていないスタートアップでは、この「落とし穴」には注意が必要でしょう。

経営に魅力的な「JV型のBPO」→「毒饅頭」になる場合

大手企業に目を転じると、大手ベンダーやコンサルティング会社との「JV(共同出資)型BPO」が広まりつつあります。

これは、委託元の企業とベンダーが共同で新会社(JV)をつくり(ちなみに委託元が持ち分が少ないことが多い)、そこに委託元企業の社員を転籍させたうえで、そのまま新会社で業務を受託するという仕組みです。

「転籍先を準備している点でリストラではない」とアナウンスもできるうえに、なにより(もともとの社員が行うので)引継ぎの手間が不要というメリットもあり、経営陣には魅力的に映ります。

しかしこれは、じつは“毒饅頭”になるリスクもあるのです。

BPOを委託した最初の2~3年は「BPO側がすべての処理をしてくれる」というメリットもあり、とくに問題は表面化してこないかもしれません。

しかし、時が経つにつれて、「規制の変更」「従業員・顧客・取引先などの増減」「サービスラインの改定」そして「技術進化による処理時間の短縮(ゼロ化)」などにより、新しいタスクが発生したり、逆に既存タスクが減少するといった「業務負荷の偏在」は必ず起こります

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【BPOで深刻な問題になるのはどのようなケースか】

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