「ノースフェイスとの違いは?」アークテリクスが支持される"ヨーロッパ調機能美"の神髄

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商品が人気となった結果、課題も出て対応に追われた。

「お客さまの声で多かったのが、『欲しいのに買えない』というお叱りです。大変ご迷惑をおかけしましたが、本社とともに最善を尽くし、今年はかなり改善されました」

アークテリクス
国内店舗の中で池袋東武ブランドストアは最大規模(撮影:梅谷秀司)

スキー人口の減少、暖冬の時代の顧客訴求

日本国内のアウトドア愛好家、例えば「スキー人口」は最盛期の1990年代(1993年は約1860万人といわれていた)から大きく減り、近年はスノボ人口を含めて300万人前後だ。

その理由としてレジャーの多様化だけでなく、往復交通費や宿泊代、衣装や用具費(レンタル利用も多いが)といった経済的負担も指摘される。

近年は「暖冬」も常態化した。こうした課題とはどう向き合っているのか。

「例えばハイキングは夏山もあり、標高1600メートルの場所では真夏に行っても夜は暖かい上着が必要です。山の環境に応じて、春から秋はハイキング、冬はスキーをされる方に、耐久性が良くて長く使えるアークテリクスを選んでいただくのが理想です。

山で過ごす快適性も昔に比べて大きく変わりました。先日、立山の山小屋に行ったらトイレがウォシュレットになっていたほど。慌ただしい日常生活やデジタル社会から離れ、あえて不便に身を置く方も増えています」

“耐久性”という機能的価値に加えて、“主張し過ぎないデザイン”という情緒的価値で支持されてきたブランドの人気は続くのか。今後の「消費者との対話」を注視したい。

高井 尚之 経済ジャーナリスト、経営コンサルタント

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たかい なおゆき / Naoyuki Takai

学生時代から在京スポーツ紙に連載を始める。卒業後、日本実業出版社の編集者、花王情報作成部・企画ライターを経て2004年から現職。「現象の裏にある本質を描く」をモットーに、「企業経営」「ビジネス現場とヒト」をテーマにした企画・執筆・講演多数。近著に『なぜ、人はスガキヤに行くとホッとするのか?』(プレジデント社)がある。

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