「ノースフェイスとの違いは?」アークテリクスが支持される"ヨーロッパ調機能美"の神髄

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「私は日本法人のアークテリクス社員番号1番ですが、入社当時はBtoBの会社で全売り上げの約95%が卸、小売りは約5%でした。取引先には今もお付き合いのあるセレクトショップ『ビームス』や『オッシュマンズ』もあり、感性面でも刺激を受けました」

国内1号店は東京・原宿。高感度な情報発信地としてこだわり出店した。

「その後は7大都市(札幌・横浜・名古屋・京都・大阪・神戸・福岡)に出店し、国内展開するうちに地域性や各店の特徴もより鮮明になりました。例えば札幌店(札幌ブランドストア)はアウトドアでご利用される方が多く、大阪と東京はインバウンドの方も多数ご来店いただいています」

現在の売上構成比は「卸が約2割:小売りが約8割」(小売りにはECも含む)だという。

バッグにはロゴの始祖鳥があしらわれている(撮影:梅谷秀司)

アウトドア愛好家への訴求は?

カナダ本社の出自からわかるように、もともと「アークテリクス」のコア・ターゲットは、アウトドア愛好家だ。「コア・マウンテンアスリート」と呼ばれ、登山、スキー、クライミング、トレイルランニングなどを行う人たち。強靭な肉体と持久力、筋力、バランス感覚が不可欠な人向けに、厳しい山岳環境にも耐えうる商品を提供してきた。

なぜ、ファッション好きな一般消費者にも支持されるのだろうか。

「やはり、ヨーロッパナイズされた“ブランドとしての機能美”が受けていると思います。現在の売上構成比で大きいのは街着やタウンユースとしてのご利用です」

一方で、マウンテンアスリートへの訴求も行っている。

「例えばスキー客の多い『ニセコ』(北海道)ではポップアップで商品訴求したり、アクティビティ体験を実施してきました。今年の冬も、フィールドに近い場所などでブランドに触れていただくイベントを実施したいと考えています」

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