年内に臨時国会を開くべき、これだけの理由 民主党の細野豪志政調会長に聞く

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審議しなければならないトピックも多い。

「まず5日に協定案が公開されたTPPについては、今こそ交渉プロセスを明らかにすべき時だと思います。自民党は2012年の衆院選で『TPP反対』を掲げて政権に復帰したのですから、国民に賛成に転じた理由を説明する責任があります。安保関連法制は前回の国会で不正常な形で通ったので、もう一度論議しなければならないと思っています。日本にとって具体的な脅威は北朝鮮ですが、これは周辺事態法を改正して対応すべきです。そのための対案を出していきたい」

与党は臨時国会を開く代わりに、10日と11日に衆参両院で予算委員会の閉会中審査を予定している。だがこの2日間では、審議するにはとうてい時間が足りるはずがない。さらに経済など審議しなければならない重要な問題も山積している。細野氏が続ける。

GDP600兆円構想の根拠とは?

「安倍晋三首相は新アベノミクスとして、『GDP600兆円』を打ち出しましたが、この数字はどこから出てきたのでしょうか。果たして実現できるのでしょうか。アベノミクスは金融緩和というカンフル剤で株価を上げただけで、GDPの成長に繋げていません。そもそも日本経済は、株価が経済を押し上げるような成長過程をたどったことはないのです。しかも昨年の成長率はマイナスですが、今年もマイナスになるのなら、まさに前代未聞の出来事です。消費税についても、予定通りに2017年4月1日から10%に上げていいのでしょうか。軽減税率をどうするのでしょうか。それらについてしっかり審議しなければ、政治に対する国民の信頼は回復できません」

さらに第3次安倍改造内閣に入閣した新閣僚の所信表明も、聞かなければならない。すでに報じられているスキャンダルについては、釈明も必要となるだろう。こうしたもの全てにふたをして、安倍政権は年内をやり過ごすつもりなのか。そうすればそのツケは必ず、来年の通常国会と参院選に残されることになる。安倍首相は、民主党からの指摘を待つまでもなく、憲政の王道に立ち返るべきではないだろうか。

安積 明子 ジャーナリスト

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あづみ あきこ / Akiko Azumi

兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。1994年国会議員政策担当秘書資格試験合格。参院議員の政策担当秘書として勤務の後、各媒体でコラムを執筆し、テレビ・ラジオで政治についても解説。取材の対象は自公から共産党まで幅広く、フリーランスにも開放されている金曜日午後の官房長官会見には必ず参加する。2016年に『野党共闘(泣)。』、2017年12月には『"小池"にはまって、さあ大変!「希望の党」の凋落と突然の代表辞任』(以上ワニブックスPLUS新書)を上梓。

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