「土曜日は休日ですよね。予定があるので出勤できません」 展示会の「休日出勤」まさかの拒否した若手の言い分
つまり、冒頭の「展示会」の話でいえば、
「展示会を成功させたい」
と考える上司と、
「休日出勤はさせない」
と指示する管理部門との対立構造だ。
「成果のアップ」と「時間外労働のダウン」。この2つは本来、対立するものではないはずだ。トレードオフの関係だと勘違いしてはならない。高い成果を上げている人ほど、生産性の高い仕事をしているものだ。
コントロールできることに集中する
ただ、問題は複雑だ。
単に時間外労働を減らすのであれば、効率化すればいい。業務プロセスを見直し、無駄な作業を削減する。ITツールを活用して生産性を高める。このような努力で解決できるだろう。
いっぽう展示会の開催日は、自分たちでコントロールすることが難しい。主催者が決めた日程に合わせなければならないからだ。
スティーブン・R・コヴィー博士の名著『7つの習慣』には、「影響の輪」と「関心の輪」という概念が登場する。
「影響の輪」とは、自分がコントロールできる範囲のこと。「関心の輪」とは、自分が関心を持っているが、コントロールできない範囲のことだ。
展示会の開催日は「関心の輪」に属する。自分たちではコントロールできない。だが、展示会に向けた準備の進め方、スケジュール管理、役割分担などは「影響の輪」に属する。こちらは自分たちでコントロールできるのだ。
したがって、上司ができることには限界がある。部下としては、上司がコントロールできないものまで要求してはならない。そのことを気付かせることが大事だ。
それでは具体的に、上司はどのような対策をとるべきか。私は次の2つを意識してもらいたいと思っている。
(2)「影響の輪」を広げる支援をする
それでは、一つ一つ解説していこう。
(1)仕事に対する姿勢を伝える
まず仕事のスキルやノウハウを伝える前に、仕事に対する姿勢をしっかり伝えよう。今回の場合は「三面等価の法則」だ。
仕事には、必ず責任と権限と義務が同じ分だけある、という法則である。
「責任」とは、任された職務をまっとうすること。「権限」とは、職務をまっとうするためにリソースを活用する権利のこと。そして「義務」とは、仕事の進捗状況を報告・説明する義務のこと(説明責任とも言う)。
この「責任と権限と義務」を常に心がけてもらうのだ。そもそも展示会は休日に開催される。したがって、展示会に参加するには休日出勤が必要である。展示会を活用して、見込み客を発掘したり、商談機会を増やすことが責任であれば、営業はこの展示会に参加する義務がある。





        
        
        
      
        
      
          
          
          
          
        
        
        
        
        












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