京都のど真ん中に《生きた"団地歴史博物館"》 築70年超「京都の廃団地」に、なぜか人が殺到する理由
東に京都御所、南に二条城を望む好立地。二条城から歩いて5分、京都の南北を貫く堀川通沿いに空き家となった団地がある。
名称は「椹木町団地」。そこからさらに歩を進めると、「堀川商店街」と書かれたアーケードが見えてくる。ここからは1階が商店街で、2、3階が住居の現役の団地が4棟並ぶ。下立売団地、出水団地1棟、出水団地2棟、出水団地3棟。
歩いて8分くらいの距離に並ぶ団地群。これらを総称して「堀川団地」と呼ぶ。
堀川団地は1950~54年にかけて建設された、いわゆる「昭和レトロ」な団地だ。それが建て替え、改修、保存と多様な形で残っている。いわば70年以上の歴史の可視化。堀川通り沿いの550mほどが、生きた“団地歴史博物館”の様相になっている。
なぜこのような稀有な状況になっているのか。その流れを取材した。
東京にたとえれば「日比谷に団地がある」ようなもの
団地といえば、郊外の広い土地に立ち並んだ大型団地を思い浮かべる人が多いだろう。
ところが、堀川団地は都市機能のど真ん中、大通り沿いに5棟が整然と立ち並んでいる。かつては6棟あったが、そのうち1棟は2021年、「堀川新文化ビルヂング」に建て替えられた。


















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