陽菜 自分の会社が、どの国や地域でどれくらいビジネスをしているかを把握する……というのは、結構大変そうですが。
先生 たしかに大変ですが、経営データとしては非常に重要です。
これと、先ほどの「地政学リスク評価」を掛け合わせれば、リスクが実際に発生したときの影響なども想定しやすくなり、地政学リスクに対するより適切な備えができると思います。
海外赴任先でリスクに備えるには?
先生 また、企業への物質的な損害だけでなく、海外に社員を派遣していたりすれば、地政学リスクが社員や家族の人命に関わる可能性もあります。
陽菜 それは大変です!
先生 そうした非常事態への対応は、各企業で準備していると思いますが、陽菜さんが将来、ちょっと危険な国に駐在したときのために、私の海外での安全管理に関する心構えを1つお話ししておきましょう。
陽菜 そういった国には、正直あまり行きたくありませんが……、そのときのためにぜひお願いします!
先生 海外で生活していて、その国で何かあったときの命綱は、現地の日本大使館からの情報です。
現地に到着したら、「私はこの国に住んでいます」という登録である、在留届を必ず出してください。これをしないと、非常時の連絡も受け取れません。
陽菜 了解です!
先生 ここからがポイントです。こうした非常時の情報ルートは複数持っていたほうが安心です。
そこで私が重要視していたのが、米国大使館からの情報です。
陽菜 米国大使館?
先生 米国は、他国に比べて情報収集・分析能力が圧倒的に高いので、何か予兆があればいち早く動きます。「米国人が国外に退避しようとしたら、すぐ逃げろ」は、危険な国での安全管理の鉄則です。
陽菜 でも、米国人じゃないのに、米国大使館から情報なんてもらえませんよね。
先生 それはそうです。でも、米国大使館の人、または、その国にある米国企業の人とは仲良くすることができます。
陽菜 人と仲良く……。大使館や企業に勤めている人だけでなく、その家族でもいいんですか?
先生 はい。そうした人たちと交流があれば、いざというとき、いち早く危機を察知できます。
陽菜 友達づくりは得意です! もし、そういう国に行ったら、真っ先に米国の人と友達になります!
先生 情報のためだけでなく、海外に駐在したときの面白さの1つは、その国の人のみならず、その国に来ているいろいろな国の人たちと、仕事や生活を通じて濃い付き合いができることです。そのときがきたら、ぜひ友達づくりも楽しんでください。
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