「人工透析にならずに済んだ」→【専門医が推奨】「腎臓の寿命」を長くする"すごい運動"4選

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まず、腎機能を長持ちさせるために、なぜ筋トレが必要なのかという点を説明しておきましょう。

じつは、昔は腎臓が悪い人には「安静」が推奨されていました。しかし、安静を決め込んでしまうと、てきめんに筋肉量が落ちて、体力や運動機能を低下させてしまう患者さんが多かったのです。中にはそれを機にサルコペニア(筋肉減少症)やフレイル(虚弱)になっていく患者さんも少なくありませんでした。

また、厳しい食事制限をしている患者さんの中には栄養不足に陥るケースも少なくありませんでした。栄養不足に陥ると、自分の体の筋肉を分解してたんぱく質を補おうとするシステムが稼働してしまい、この「筋肉→たんぱく質」の分解が進むと、いっそう筋肉量減少が進んでしまうことになります。しかも、この分解システムが働き出すと、結果的にたんぱく質を大量摂取したのと同じことになって、腎機能をさらに弱らせることにつながってしまうのです。

つまり、こういった悪い流れに陥るのを防ぐには、普段から適度な運動を習慣づけて筋肉量を落とさないようにする姿勢が必要だということ。腎臓の寿命を長持ちさせていきたいのであれば、筋肉量をキープするための簡単な筋トレ習慣が絶対に不可欠だと思ったほうがいいでしょう。

壁で上半身の筋肉を効率よく鍛える

腎臓リハビリの「らくらく筋トレ」は、筋肉に負荷をかけて刺激を送り、筋肉量を効率的に維持・回復させていくプログラム。筋トレというとつらくて苦しいイメージがありますが、これから紹介するメニューは、運動が苦手な人でも安全かつ気軽に筋肉を鍛えられるように工夫してあります。
最初に紹介するメニューは「壁腕立て伏せ」です。

筋トレを苦手にしている女性でも、壁に向かって行うこの腕立て伏せであれば問題なくできるはずです。

このメニューでは、腕、胸、肩などの上半身の筋肉を効率よく鍛えることができます。行う際は、「頭からかかとまでのラインをまっすぐにキープする」「両足のかかとを床から離さない」の2点に注意してください。そして、鼻から息を吸いながらゆっくりひじを曲げ、口から息を吐きながらゆっくりひじを伸ばしていくのです。

これを5回繰り返して1セット。呼吸の出し入れに合わせながら、意識してスローテンポで行うようにするといいでしょう。

自宅で簡単“腎臓ケア”【壁腕立て伏せ】(図解:『腎臓大復活』より)
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