沖縄の製造業として初の上場「オリオンビール」→Tシャツ流通額は60億目前、戦後生まれの"沖縄のソウルドリンク"が示す郷土と世界をつなぐ挑戦
 
青い空や白い砂浜、沖縄そばやゴーヤーチャンプルーに並ぶように「沖縄イメージ」の1つに挙げられるオリオンビール。戦前戦後に沖縄県から多数出発したハワイや南米への移民とその子孫たちにとっても「自分たちのルーツのアイデンティティ」を表すアイテムとなっている。
筆者が南米ボリビアの沖縄移民を訪れる前に、当地の人に希望のお土産を聞くと「オリオンビールを持ってきてくれたら取り合いになるぐらいみんなが喜ぶと思う」との声が上がっていた。
オリオンビールのTシャツは「沖縄観光のユニフォーム」
沖縄県民や沖縄系移民、沖縄を訪れる観光客のみならず、海外の人々にも商品を積極的に届けようと、オリオンビールはことし8月に、従来の「海外事業部」を「海外事業本部」に格上げした。「海外事業の持続的な成長」に向けて「マーケティング・製品開発・国際物流など戦略的な意思決定を高度化」することを目的としている。
9月に入って、沖縄県外では初めて展開した関東2カ所でのポップアップストアについて、村野社長は「Tシャツなどは香港や台湾での人気が高まっているので、海外展開の可能性も十分にあります」との展望を示す。
オリオンビールは、Tシャツなど自社ロゴを使用したグッズのライセンス事業が「ものすごく好調」(村野社長)だ。
2023年夏にライセンス事業の本格化へと乗り出した。オリオンビール関連グッズ全体の流通額は、23年度に約20億円、24年度に約30億円と急速に数字を伸ばしていった。ことし4~6月の流通額は前年比2. 37倍の伸びがあったといい、25年度には60億円を突破する見込みだという。
 
オリオンビールのTシャツは、いわば「沖縄観光のユニフォーム」のような大定番アイテムとなった。那覇市のメインストリート・国際通りを歩けば、オリオンTシャツを視界に入れずに歩くことは困難だ。
 
近年、オリオンビールに牽引される形で、Tシャツなどの企業グッズの展開が沖縄県内の各企業にも広がっていき、沖縄観光と掛け合わされるかたちでライセンス事業が一大トレンドを生み出すまでになっている。後編記事ではそんな“沖縄企業Tシャツ現象”について深掘りしていく。
後編:観光客にバカ売れする「あのTシャツ」が沖縄経済を動かす…!? 「着たら絶対に写真を撮りたくなる」Tシャツから始まる沖縄ブランドの新潮流
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