沖縄の製造業として初の上場「オリオンビール」→Tシャツ流通額は60億目前、戦後生まれの"沖縄のソウルドリンク"が示す郷土と世界をつなぐ挑戦
沖縄県民の4人に1人が命を落とした熾烈な沖縄戦終結から12年後の1957年、「郷土の若者に勇気と希望を与えたい」との思いで具志堅宗精氏によって創業された同社。
当初の名称は「沖縄ビール株式会社」だった。その後まもなく、社名も商品名も「オリオンビール」と一般公募によって改称されたことはまさに、沖縄県民と共にそのスタートを切ったと言える。
オリオンビールのプレミアムカテゴリーである「オリオン ザ・プレミアム」も、ことし7月以降の新パッケージデザインを一般公募と県民投票で決定しており、その“県民と共にイズム”を継承し続けている。
 
家族が集まるときには、オリオンビールで乾杯!
オリオンビールの村野社長が「やはりオリオンビールは沖縄のソウルドリンクなのだと感じます」と語るのには、こんな理由がある。「進学や就職で沖縄県外に行ったお子さんが帰省して、家族が久しぶりに集まるときには、オリオンビールで乾杯をするんですよね。結婚式といったハレの日にも、ご先祖様と一緒に過ごす旧盆のときにも、オリオンビールがあります」。
オリオンビールに対する沖縄県民の思いを代弁しているのが、沖縄県・石垣島出身のバンドBEGINの「オジー自慢のオリオンビール」だ。オリオンビールのCMソングとしても沖縄県内で頻繁に流れていたおなじみの1曲。
三線と指笛で沖縄色全開のイントロから始まり、琉球音階を軸にしたメロディに南国風のゆったりとした裏ノリのリズム。そしてサビではこう歌う。「三ツ星かざして高々と ビールに託したウチナーの 夢と飲むから美味しいさ オジー自慢のオリオンビール」。
ここでいう三ツ星は、オリオンビールの商品ロゴ上部に並ぶ3つの星だ。南の空に浮かぶオリオン座は、南の島沖縄がイメージされたものだという。この一節から感じ取れるのは「オジー(おじいさん)が自慢するほど昔から親しまれたビール」という歴史感だ。
 
曲の終盤になると、「オジー自慢のオリオンビール」だった歌詞が、いつのまにやら「ワッター自慢のオリオンビール」になっている。ワッターとは「私たち」という意味。ニュアンスとしては「俺たち」のほうが近いかもしれない。「俺たちが俺たちのものとして自慢する俺たちのビール」なのだ。





 
         
         
         
        
       
           
           
          
         
          
         
         
         
         
        












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