諦めてなかったアップル「新Vision Pro」への熱意 M5チップ搭載の新型で何が変わった?

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頭を早く振ったりすると、リフレッシュレートが最大120Hzまで対応したことのメリットを感じる。ズレが少ないので、酔う感じが少なくなったように思う。ちなみに、初期モデルのリフレッシュレートは最大90Hzだった。

新しい『共同作業』を実現するデバイス

全体にきびきびと動くようになった感じはするが、アプリの動作に大きな差はないように感じる。考えてみれば、これまで開発されたアプリは、すべて初期モデルで快適に使えるように開発されている。M5搭載機に合わせて、重いアプリが増えていくと、初期モデルとの差が感じられるようになるのではないだろうか。

事実、JigSpaceのような、複雑な3Dモデルを現実空間に合わせて表示できるようなアプリでは、処理速度向上のメリットは現れているはずだ。ジェットエンジンの3Dモデルを部屋の中で分解し、内部構造を観察するという驚くような体験を、FaceTimeを使ってオンラインで共有するというのはとてもエキサイティングだ。

リビングで3Dオブジェクトとして描画したジェットエンジンを分解してみた。こういうオブジェクトをFaceTimeで共有して、他の人と一緒に見ることもできる(筆者撮影)

Apple TVを見ると、まったく新しいイマーシブ体験ができる空間映像がたくさん提供されている。まさに、その場にいるのとほぼ同じ視覚体験として、岩場の間に渡されたロープを渡ったり、スーパースターのステージの真横に立ってみたり、グランドレベルでスポーツ観戦したりするのは驚くべき体験だ。これらコンテンツの製作にかかっている労力を見てもアップルがApple Vision Proを投げ出すわけはないということがよく分かる。

この体験のために、Apple Vision Proの性能が必要であるというのはよく理解できる。次のモデルは、どうすればこの製品を多くの人に提供できるかがひとつのテーマになるだろう。極端に安くなるとは思えないが、もう少しはコストを下げられるかもしれない。

また、それとは別にスマートグラスも開発はされているようだ。こちらは、Apple Vision Proのような豪華な仕様ではなく、Apple Watchのような「ちょっとした情報」を提供するデバイスになるだろう。

日々使っていると、だんだんと当たり前になってくるが、Apple Vision Proの体験は本当にエキサイティングだ。M5搭載により、その素晴らしさはさらに向上している。予約さえすれば無料で体験できるので、ぜひまずはApple StoreでApple Vision Proを体験してみていただきたい。我々は将来どんなデバイスを使っているのか? それが垣間見えるはずだ。

村上 タクタ 編集者・ライター

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むらかみ たくた / Takuta Murakami

iPhone、iPadなどアップル製品を中心に扱うガジェット・テクノロジー系編集者・ライター。カリフォルニアでのWWDCやiPhone発表会には2016年頃から継参加。趣味の雑誌の編集者として、’92年から約30年で約600冊の雑誌を作ってきた。バイク雑誌『ライダースクラブ』に携わり、ラジコン飛行機雑誌『RCエアワールド』、海水魚とサンゴ飼育の雑誌『コーラルフィッシュ』、デジタルガジェットのメディア『flick!』『ThunderVolt』の編集長を務める。HHKBエバンジェリスト、ScanSnapアンバサダー。バイク、クルマ、旅、キャンプ、絵画、庭での野菜作り、日本酒、ワインと家族を愛する2児の父。娘はロンドン、息子は台湾在住。

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