「女性は浪費家である」は本当か?お金の専門家が指摘する《"ピンク税"問題》。女性向け商品は男性向けより「平均7%」高価

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これらはすべて自分で選択しているものだ、との反論もあるだろうが、自分で選んだようにはまったく感じられなかった。ほとんどの女性は、「きちんとした」外見でないと、金銭面・キャリア面で悪影響が及ぶことを知っている。私の場合、メディア出演や講演の機会を失うかもしれない。

苦労して稼いだお金と時間を、「プロ」らしく見られるのに必要な最低限のものに費やす。するとそれをとがめられ、「無駄遣いだ」と言われる。でももし、そうしたアドバイスに耳を傾けてメイクをしないと、今度は敬意を示してもらえなくなるだろう。とんでもないダブルスタンダードだ。

社会に根付いている「ピンク税」

女性が身だしなみに使う支出への批判は、さらに腹立たしい。なぜなら私たち女性は、本質的に同じ商品とサービスに対し、男性よりも多額を支払わされているからだ。この差別的な習慣は「ピンク税」とあだ名されている。

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ニューヨーク市消費者問題局の委託により行われていた研究によると、女性向けに売られている商品は、男性向けに売られているものより平均で7%、値段が高いという。

合計すると、同じ商品に対して女性は男性より年間平均で1300ドルも多く払っていることになる。カミソリなど一部の商品については、女性が男性より20%も高い金額を払う可能性もある。

だからこそ、支出の削減を強調するのはあまりにも不公平なのだ。出世に不可欠な身だしなみを整える。夜間に安全に帰宅するためにタクシーを利用する。

高いけれど治安の良い地域に住む。こうした経費は、カフェラテなんかよりずっと大きな経済負担だ。女性がお金持ちになれない理由は、カフェラテとは何の関係もない。

トリ・ダンラップ ファイナンシャルアドバイザー・インフルエンサー

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Tori Dunlap

世界的なお金の専門家であり、ビジネス・ポッドキャスト人気ナンバー1の「ファイナンシャル・フェミニスト」の司会。グッドモーニングアメリカなど多くのメディアに登場し、CNBCに「金銭的な自信を女性に与える声」と称され、これまでに300万人以上の女性たちを、給与の交渉、借金の完済、貯蓄の構築、投資でサポートしてきた。

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安藤 真由美 エグゼクティブコーチ・コンサルタント・投資家

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あんどう まゆみ / Mayumi Ando

国内外の金融機関等で22年勤務後にブリリアントライフ代表として独立。ファンドマネージャーやアナリストとしての実務経験を活かして経営層向けのコーチングや経営相談を行う。
著書に『お金の知識があるだけであなたが見られるはずのとびきり輝く世界について』(日経BP)。

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松丸 さとみ 翻訳者・ライター

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まつまる さとみ / Satomi Matsumaru

学生や日系企業駐在員としてイギリスで6年強を過ごす。
主な訳書に『LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる』(日経BP)、『THE FOREVER DOG 愛犬が元気に長生きするための最新科学』(ユーキャン)、『「人生が充実する」時間のつかい方』(翔泳社)などがある。

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