「この世の終わり」な顔をしていた《プレーリードッグ》をお迎えした結果…生体価格で約40万円、1人ぼっちの家に小さな家族ができた女性の生活

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部屋の隅にうずくまり、誰にも心を開かず、生きていることさえ拒否しようとするかのような「すみっこちゃん」。彼女の小さな薄茶色の背中に、「誰か」の姿が重なったのかもしれない。

まる子さんの運命を変えた牡丹ちゃん(写真提供:まる子さん)

先天性の心疾患が発覚、在宅ワークに転向し兼業開始

相変わらず懐かないすみっこちゃんに、「牡丹ちゃん」と名付けた。メスだからか攻撃性は低く、教えなくてもトイレは完璧に覚えた。懸念された匂いもほとんど感じない。

「こんなに私の心を穏やかにしてくれる存在に、初めて出会いました。牡丹がいるから、毎日生きているんだって感じられたんです」

相変わらずツンデレではあるものの、徐々にまる子さんを信頼し始めてくれた。牡丹ちゃんがいる場所が、自分の「帰る場所」だと思えた。

しかし、暮らし始めて半年たったころ、牡丹ちゃんに先天性の心疾患が発覚する。まる子さんは当時会社員。朝8時に出勤し、5時まで働く。その間牡丹ちゃんは一人ぼっちで留守番しなければならなかった。

病気がわかってもしばらくは、仕事の昼休みにいったん帰宅して薬を与え、また会社に戻る日々が続いた。しかし、仕事をしていても心配で落ち着かない。

「動物を飼うなら、こんな中途半端なことをしていてはいけないと思いました。私はどうしても、牡丹を助けたかったんです」

まる子さんは、生き方を変える決心をする。会社を辞めて、在宅でできる仕事に切り替えたのだ。つてをたどって企業のバックオフィスを任せてもらい、収入が足りない分あれやこれやといろんな仕事を掛け持ちし、牡丹ちゃんと暮らしていけるだけの収入を確保した。

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