「ここは人が住める状態じゃない」 「失明していた母」 10年ぶりに帰省すると、排泄物が腐敗し…実家はとんでもない"ゴミ屋敷"になっていた

✎ 1〜 ✎ 72 ✎ 73 ✎ 74 ✎ 75
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「親子だからこそ感情が入るんです。他人であれば『しょうがない』と割り切れることでも、家族だとそうはいかない。『家族なのに』『親子なんだから』という感情が、問題を複雑にしてしまうのだと感じます」

他人であれば、「この人とは合わないな」と少しでも思った時点で、関係を断ち切ることは容易だ。しかし、家族間ではそういうわけにもいかない。その関係性の濃さは、時に負の側面を増幅させる。

ゴミ屋敷
隣の和室を片付け、玄関までの動線を確保した後、キッチンのゴミを一掃(写真:「イーブイ片付けチャンネル」より)

死後、最低でも100万円は必要

たとえば、法務省が発表している『令和5年版 犯罪白書』によると、2022年(令和4年)に検挙された殺人事件のうち、54.9%が親族間の犯行だ。

コミュニケーションも、他人に対するような遠慮や気遣いがなくなり、単刀直入になりがちだ。「そんなに一から十まで全部言わなきゃいけないの?」と、苛立ちが先に立つ。家族だからこそ多くを求めてしまい、見逃せない部分が強くなる。

「子どもは親の性格を本当の意味ではわかっていないのかもしれません。親が生きているのが当たり前だと思っていると、きちんと向き合う時間が少ない。いざという時になって向き合う時間が圧倒的に長くなることで、今まで見えなかった親の頑固さや性格に気づく、ということもあるように思います」

高齢化が進む社会で、子どもに迷惑をかけたくないと考える親世代は多い。では、親側はどのような備えをしておくべきなのだろうか。

ゴミ屋敷
もっとも物量の多かった2階の和室で仕分け作業を進める(写真:「イーブイ片付けチャンネル」より)
ゴミ屋敷
主に生活していた2階の洋室は、床にゴミが張り付いている状態だった(写真:「イーブイ片付けチャンネル」より)
次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事