「ここは人が住める状態じゃない」 「失明していた母」 10年ぶりに帰省すると、排泄物が腐敗し…実家はとんでもない"ゴミ屋敷"になっていた

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依頼主である息子は、当時の状況をこう振り返る。

「ちょっと母親とは連絡は取れなくて。母のきょうだい(姉と兄)が近くに住んでいて、その方が『連絡が取れない』と。携帯電話も全然つながらないので実家まで来たけど、鍵がかかっていたんです。そうしたら、近所の人が『病院に運ばれた』と教えてくれました。自宅で倒れて、外に自力で這い出て助けを求めたらしいです」

そのときまで、母親がどういう生活をしているか、まったく知らなかった。

「もう目も見えていなくて、体も悪く、支払いといった類が全然できていなかったようです。電気、ガス、水道、ライフラインはすべて止まっていました。どうやって生活していたかも、連絡していなかったからわからないし、聞いても言わない人でした」

ゴミ屋敷
ベッドの下にもゴミが詰め込まれている状態だ(写真:「イーブイ片付けチャンネル」より)
ゴミ屋敷
どのように食事をとっていたのか……(写真:「イーブイ片付けチャンネル」より)

親子だからこそ憎しみ合ってしまう

作業に同席していた息子の妻も、義母との関係について話した。

「お母さん自身が人と連絡を取るタイプじゃないというか。他者を拒絶するタイプで、『連絡してくるな』みたいな感じの人だったんです。これまでにも連絡は試みていましたが、拒絶されるので、ここ10年は疎遠になっていました」

息子夫婦も何かをしようとはしていた。しかし、当の母親がそれを頑なに受け入れてくれなかったのだ。

なぜ、ここまで事態が悪化するまで気づけなかったのか。二見氏は、親子だからこそのコミュニケーションの難しさがあると指摘する。

ゴミ屋敷
1階の和室を片付けるスタッフ。ここを片付けてから隣のリビングとキッチンに取り掛かる(写真:「イーブイ片付けチャンネル」より)
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