秋葉原が「中国の街」に!? 「広告を気鋭の中国企業が席巻」「売れまくる中国スマホゲーム」オタク聖地を呑み込むチャイナ・カルチャーの衝撃

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一方、日本企業の場合は、やはりそこまでリスクは取れず、投資も中規模で、数十億円程度のゲーム開発が主流になる。「100億円の開発費が出せるのは、既にヒットしている有名タイトルの続編など、ある程度、ヒットが保証されているようなゲームの場合であって、全くの新規開発のタイトルに100億円を出すことは、日本企業の場合はほとんどあり得ない」と、先のゲームプランナーの男性は語る。

だが、こうした経営判断の差で、中国企業が日本企業の牙城に迫りつつあるのが現状。結果、それがアキバの街の風景をも変えてきているのが実態である。

データで見る中国ゲームメーカーの躍進

データからも、今の日中企業の勢いの差が見て取れる。米調査会社センサータワーのデータによると、2024年に日本で売れたスマホのゲームアプリ上位30タイトルのうち、日本企業のゲームは既に16タイトルしかない。加えて、「ドラゴンクエスト」や「ポケットモンスター」「ドラゴンボール」など、1980〜90年代に生み出された人気キャラクターをベースにしたゲームが多く、新味に欠ける。

一方、中国企業の勢いはすさまじい。既に11タイトルを占め、日本勢の背中に届く勢いだ。日本のコアなゲームファンにもここまで中国メーカーが受け入れられているとは驚きだろう。特にミホヨが開発した「原神」は、2020年の発売からわずか2年余りで、日本での累計収益が10億ドル(約1500億円)を突破し、なお日本で根強い人気を誇る。

「原神」の成功などで、中国人創業者の蔡浩宇(ツァイハオユウ)氏はサクセスストーリーを築き上げている。米フォーブスによると、同氏の保有資産は73億ドル(約1兆1000億円)と、「中国の富豪100人」にランクインするまでになっている。

取材班はこうした中国企業の勢いをさらに調査しようと、多くのゲームメーカーに取材を申し込んだ。だが、残念ながらいずれも断られた。秋葉原駅の中央改札を「ジャック」するとし、駅構内で派手なアニメゲームの広告展開を続けるヨースターにも取材を申し込んだが、丁重に断られた。 

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