中国ゲーム企業の勢いそのままに、アキバを訪れる中国人も群を抜いて増えている。取材班がドコモ・インサイトマーケティング(東京都豊島区)の協力を得て、携帯電話の位置情報データから、秋葉原駅周辺(1キロメートル四方)にいる外国人の滞在人口を国籍別に解析した。すると、中国からの来訪者は1日当たり約5000人(2024年7月時点)と、韓国や米国などからの来訪者に比べ、5倍程度にも達しており、圧倒していることが分かった。

中国では制限されていたアニメも、日本では自由
実際、街ゆく中国人にも話を聞いてみた。この日、話が聞けたのは、秋葉原によくに来るという中国・四川省成都市出身の24歳男性、程子軒(チョンズーシュエン)さんだ。2023年に来日、日本語学校を経て、今は日本薬科大学の1年生。クラスメートには中国人も多いという。
――秋葉原にはよく来るのですか。
「大学がお茶の水にあって、秋葉原は近いのでよく友達と遊びに来ます。アニメのフィギュアとかは買いませんが、アニメ関連のTシャツとか、ノートとかキャラクターグッズなどをよく買ったりしています」
――中国のアニメは今、この秋葉原でも人気のようですね。
「(妖怪が人間界で過ごす日常を描いたアニメの)『フェ〜レンザイ(非人哉)』は、日本でも人気ですよ。ただ、中国のアニメは、日本のアニメをコピーしている場合も多いです。それが中国で問題だという雰囲気は、特段ありませんけどね」
――好きなアニメに囲まれるアキバや日本にどんな印象を持っていますか。
「日本の一番良いところは自由です。中国だとファイアウォールがあってインターネットの閲覧も制限されており、見られないアニメも多かったように思います」
――やはりアキバは、アニメ好きの中国の人にとっては、たまらない場所ですね。
「アニメが好きなので、大学卒業後も私は日本の会社でずっと働き、日本に住みたいと思っています。ゲームからアニメ化された『Fate/stay night』や『東方Project』などが特に好きで、もっと言うと、日本の昭和時代の曲、竹内まりやさんや菊池桃子さんの曲などもよく聴いています」
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