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串カツ田中「95億円の賭け」ピソラ買収の成算 創業者が10億円出しても株価急落を招いた"高値掴み"リスク

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  • 大関 まなみ フードスタジアム編集長/外食ジャーナリスト
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ペルティカの内装は「北イタリアの高原リゾート」をコンセプトにした落ち着いた空間。ピソラはバリだが、「リゾート」は共通項だ。すかいらーくはピソラの業態づくりを参考にしているのかもしれない。

ペルティカの店内(プレスリリースより)

ペルティカはすかいらーくにとって力を入れていきたい業態なのか、現在、関東の郊外を中心に店舗が急増中だ。2024年8月、東京の小平市に1号店がオープンしたのを皮切りに、今年7月には港北ニュータウン店、9月に鶴川店、10月に大泉学園店と立て続けに出店。それらは「ジョナサン」や「ガスト」など、同社既存店からの業態転換だ。

郊外で“イタリアンファミレス戦争”が勃発?

今後はロードサイドを主戦場にピソラとペルティカの陣取り合戦が始まりそうだ。

さらに、ピソラの競合はペルティカだけでない。ダイニングイノベーションの「VANSAN(ヴァンサン)」も郊外型のイタリアンファミレス。立地は、都内であれば用賀、祖師ヶ谷大蔵、溝の口、二子玉川などの比較的駅に近い場所に出店しており、ピソラやペルティカほど「郊外」ではないが、やはり家族連れなどのプチ贅沢のニーズを狙っている。

丸亀製麺のカフェチェーン「コナズ珈琲」も、お客の利用ニーズが近しい。こちらはファミレスではなく「カフェ」のくくりになるものの、メニューにはコーヒーやスイーツのみならず食事系も充実。同店でも席の時間制限を設けず、お客が心ゆくまでゆっくりと過ごせることはピソラと共通している。内装はハワイをイメージしており、やはり「郊外にあるリゾート」だ。

郊外を中心に展開する「コナズ珈琲」(撮影/谷頭和希)
「コナズ珈琲」のハワイ感あふれる内装。席間隔も広くてゆったりしている(撮影/谷頭和希)

外食の二極化やアルコール離れが進む中、ピソラのような飲食店の需要は高まるが、それ以上に競合が登場し、レッドオーシャンとなっている。

そんな中でピソラが勝ち抜くためには、串カツ田中のノウハウが必要なのだろう。

同社が発表している買収の理由に、「経営資源の有効活用」を挙げている。この言葉通り2社のシナジーを生かせれば、いつか「高い買い物」ではなくなるのかもしれない。ここが力の見せどころだ。

【合わせて読む】「串カツ田中」が"ファミレス冬の時代"に新興勢力「ピソラ」を買収! 人気店に足を運んでわかったピソラのこだわりと、田中が"大博打"を打ったワケ

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