「串カツ田中」が9月に買った謎のファミレスの正体 人気店に足を運んでわかった"プチ贅沢"店の衝撃

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総じて料理は味のクオリティも高く、特にピザとパスタ、2つの炭水化物でボリュームもあり満腹になった。

ピラソ
ティラミスとチーズケーキ。メインやパスタは2人で1種類を選んでシェアするが、ドルチェについては一人一皿選べるのが嬉しい(筆者撮影)

店内の造りも特徴的だ。とにかく「居心地」を優先した空間になっている。

内装は「バリのリゾート」をイメージしているそう。随所に華美な装飾が施されており、確かに海外に来たような、ここが立川のロードサイドであることを忘れてしまいそうになる。席は広々としており、テーブルごとに仕切りがついているので他のお客の様子があまり気にならない。

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バリで買い付けたという家具や照明がちりばめられている(筆者撮影)

店内の一角には水が流れるオブジェまである。満席の状態を見るにここを席にしてもいいような気がするが、あえて直接的な儲けを生まないオブジェにも貴重なスペースを割いて、世界観を表現していることに矜持を感じる。

直接的な売り上げを生まない水の流れるオブジェ(筆者撮影)

店内は家族連れや女性グループが目立った。トイレにはおむつ台があり、女性用トイレには生理用品が欲しいときにスタッフに渡す「サニタリーカード」なるものも。店内の至るところに子連れや女性客への細かい配慮があふれていた。

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トイレにはおむつ台(筆者撮影)
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女性用トイレにあったカード。確かに、直接言うのは憚られるのでこうしたカードがあると有りがたいかも(筆者撮影)

食べ放題の場合は2時間制とあるが、満席でなければ時間制限なしで楽しんでいいという。食事のおいしさに加えて、こうした空間づくりによって、ここで過ごす「時間」の満足度も高めている。

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筆者の退店時、15時近かったがまだウェイティングは途切れていなかった(筆者撮影)

“ファミレス冬の時代”に生まれた新潮流

ピソラはいわゆる「ファミレス」だと思って行くと、いろいろな意味で裏切られる。コースや食べ放題主体の注文システム、高めの客単価、非日常な世界観と居心地にこだわった空間。ふらっと一人で入るのではなく、複数人で予約して訪れることが前提の、特別な時間を過ごすための場所として設計されている。

筆者はピソラを利用し、ファミレスの新しい可能性を感じた。

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