「警視庁捜査2課のキダといいます」最近急増する"捜査をかたる電話"の正体…まともに答えてみたらどうなる?

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「私のほうが聞いているのですが?」

こちらも負けじと応じます。“キダ刑事”もたたみかけます。

「お名前が挙がっていると報告を受けているので、こちらも連絡をしています」

何の事件かわからないが、私の名前が挙げられている。はっきりとは言わないが、どうも事件の被害者ではなく、容疑者として疑われていることを“キダ刑事”はにおわせてきました。

警視庁
本物の警視庁(写真:aki/PIXTA)

しかし、事実確認をしたいのは、こちらです。さらに尋ねました。

「あの、何か、令状は出てるのでしょうか?」

捜査機関からの「出頭要請」は原則「任意」です。しかし、「逮捕状」など裁判所が発した「令状」がある場合、話は違ってきます。一市民として捜査に協力しなければなりません。

真摯な思いから出た質問に対し、“キダ刑事”はさらに圧をかけてきました。

「もちろん、協力いただけないのであれば、令状を行使すると聞いています」

つまり、現時点でまだ令状が出ていない。ほっとした私は思わず言ってしまいました。

「じゃあ、令状が出たら教えてください!」

──ブツッ!!!

警察署に通報「典型的な詐欺ですね」

あれだけ真剣な話をしていた“キダ刑事”は、そこで突然、電話を切ってしまいました。

こちらから電話をかけ直して、もっと事件について詳しく聞きたいと思いましたが、発信元の電話番号が海外のものだったので、電話料金が怖くて断念しました。

会話はもちろん録音してあります。ただちに事件化はしないかもしれませんが、別の事件から余罪に発展することもあるだろうと思い、すぐに最寄りの警察署(こちらは本物です)に電話しました。

事情をすべて伝えると、対応した警察官は「典型的な詐欺ですね」と即答しました。

いわゆる「オレオレ詐欺」の対策によって詐欺が成功しないケースが増え、詐欺グループは最近、警察官を装う手口にシフトしているといいます。

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