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増え続ける「転倒による労災」の理由は"現場作業員の高齢化"だけじゃない。従業員の疲労対策「待ったなし」の訳

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  • 片野 秀樹 博士(医学)、日本リカバリー協会代表理事
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普段と違う動きをしても、転びやすくなります。子どもの運動会のリレーに出たお父さんが、すってんころりんとなってしまったりしますね。久しぶりに全速力で走ったために、自分の感覚と肉体がアンバランスになってしまうためです。

重大事故の裏にある300件の「ヒヤリハット」

肉体的な疲労が転倒などにつながる一方で、精神的な疲労は「ヒヤリハット」や「インシデント」を招くおそれがあります。

労働現場で危ないことが起こった。幸い災害や事故にはならなかったけれど、自分も周りもヒヤリとした、ハッとした……これをヒヤリハットと呼びます。

労働災害における経験則として有名なハインリッヒの法則によると、1件の重大事故の裏には29件の軽傷事故と、300件の無傷事故、つまりヒヤリハットがあるといわれています。

アメリカの損害保険会社の安全技師であったハーバート・ウィリアム・ハインリッヒが発表したもので、1:29:300の法則とも呼ばれます。

出典:『疲労学』

一方のインシデントは、あと一歩で大災害や大事故につながりかねなかった事象を指します。アクシデントにならなかったという意味で、準事故、潜在事故と捉えたりもされるようです。

どちらも、精神的に疲れた状態のまま仕事をすると、注意力が散漫になってしまうために起きやすくなります。

特に、公共交通機関の運転士や医療従事者など、人の命を預かる仕事に就く人たちの疲れは、安心・安全な社会を揺るがしかねません。

自分の疲れももちろん問題ですが、自分以外の人の疲れが回り回ってわが身に影響するおそれもあります。

日本人の8割が疲れているというのは、非常に危険な状態なのです。

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