大橋マキさん(48)が"シニアとの関わり"で辿り着いた「年齢を重ねることは素敵」という境地。地元・葉山での日々の暮らし《後編》

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――さまざまな経歴と個性の集まり。運営は大変な面もありますよね。

大変は大変ですけど、みんなで集ったり手や体を動かしたりすることは、とても楽しくて有意義なことだなと。

畑仕事やガーデニング以外にも、さまざまなプロジェクトを企画していて。その内容に合わせて、メンバーそれぞれの特技や今の状況に応じて関わってもらっています。

いわゆる“ジョブ・クラフティング(現在の仕事を個々の強み・価値観に合わせて工夫して作り替えたり、仕事を自分なりに解釈したりすること)”が起こればいいなと、その方に委ねる部分も大切にしています。

――ジョブ・クラフティングは近年、取り入れている企業も少しずつ増えていますよね。営利組織では、難しい面もあると思いますけど。

清掃のお仕事にその方らしさを盛り込んで、楽しみややりがいを感じながら取り組んでいる事例など、よく知られていますよね。非営利組織であり、こういった地域コミュニティの活動だからこそ、さまざまな個々の力を活かせる自由度は大きいのかなと。そこには大きな意味があると感じています。

――仕事や子育てを卒業したあとも、人とつながりながら自分を活かして生きられる場があるって、すごく幸せなことです。

1人で速く進むよりも、大勢で時間をかけてゆっくり進むほうが遠くに行けるということわざもありますよね。ここがますますそういう場になればいいなと思っています。

「はっぷ」で作ったお茶や冊子(写真:今井康一撮影)

家族最優先というブレない軸

――現在は、どんな日常を過ごされていますか?

葉山に拠点をおいて、15年になります。

海も山もあって、気持ちのいい場所です。先日は家の前でイノシシに出くわしました。 急いで娘を迎えにいかなきゃと、ビーチサンダルで玄関を飛び出したら、130センチくらいのイノシシが2頭。怖いと思う前に2頭とも走り去っていきましたが、地元の方々からは「無事でよかった」と言われました。

それから今、大学院に通っています。長女とほぼ同世代の子たちも一緒に学んでいて、「ママ」なんて呼んでくれる20歳以上年下の先輩もいます(笑)。

「はっぷ」を立ち上げて、現場でできることをやってきたからこそ、大学院ではその経験を裏付けるための理論を学びたいと思っています。非営利組織の運営は複雑で課題も多いので、しっかり学んで現場が無理なく持続できる仕組みを整えていきたいなと。現場を支えてくれる仲間たちのためにも頑張らないと、と思っています。

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