大橋マキさん(48)が"シニアとの関わり"で辿り着いた「年齢を重ねることは素敵」という境地。地元・葉山での日々の暮らし《後編》

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――楽しい、といいますと?

人生の先輩でもあるシニアの方々って、本当に面白いんですよ。エネルギーもユーモアもあって、おちゃめで、経験や知恵がいっぱいあって。

皆さん畑で土いじりをしているだけでも、さまざまな記憶がよみがえって、興味深い昔話をしてくださったり、貴重な手仕事や季節の食材を使ったレシピなんかを教えてくださったりすることも多いんです。

地域の活動だから個を活かせる

――現場で特に印象的だった出来事はありますか?

たくさんあります。

あるシニアの方が1カ月ほどいらっしゃらず、「先月はお休みでしたね」と声をかけたら、ご家族が亡くなられたことを打ち明けてくださいました。「また、ここに来なくちゃと思って」とおっしゃってくださって。そういった場を地域に開き続けていくことの大切さを感じました。

普段はそれぞれの人生がある。それでも同じ場に通って何気なく言葉を交わすことで、新しい交流や心地よい温かさが生まれるのを感じています。

石井ファーム直営の葉山マルシェにある互近助ガーデンの仲間たちと(写真:大橋さん提供)

――理想的な場に育っているんですね。

もちろん、同じ場で作業していれば、ときには行き違いが起こることもあります。

先日は、植物クラフトづくりに使うリボンをめぐって、おばあさん同士が「私もこの色がいい」と取り合いになりそうな流れに。その日は娘が手伝いに来ていて、「どうしよう」と戸惑っていましたが(笑)。同じ場で手を動かすうちに自然と仲直りして、最後は「あなたにその色、似合うわよ」なんて笑いあって過ぎました。

ここでは肩書を脱いで“葉山の人”として会えるから、皆さん、“素”のままだし、“自由”なんです。

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