「"トレパク"特定班が凄すぎる」「次から次へと発覚」 江口寿史氏の"パクり"問題、ネタ元女性と和解も「取り下げラッシュ」が起きるワケ
こうした動きの背後には「特定班」と呼ばれるネットユーザーの動きがある。彼らは、江口氏の作品の元ネタとなった画像を調べて特定し、SNS上で報告し合っている。これによって、数々の“パクり”疑惑が露呈している状況だ。
江口氏の行為は、「肖像権」「著作権」「パブリシティ権」の侵害の可能性があると指摘されているが、現状では明確ではない。
また、火種となったルミネ荻窪のイラストは、モデルとなった女性から承諾を得られている。法律的には問題ない状況になったはずだ。なぜ、違法行為が確定していない段階で取り下げられたのだろう?

「取り下げ」になるのは必然だった
広告をはじめとする商用ビジュアル・デザインに関しては、「法に触れていなければ問題ない」という言い分は通用しない。
法に触れないことは必要条件だが、十分ではない。広告・宣伝においては何よりもイメージが大切だ。今回のような疑惑が生じた時点で、撤回になってしまうのは必然的なことである。
江口氏のXの投稿文を見ていても、この辺の意識が希薄だったように思えてならない。
模倣、あるいは盗用なのか、あるいは(“パクり”ではない)独自の創作物なのか――というのは、明確な基準があるわけではなく、判断が難しい。だからこそ、既存の創作物に「できるだけ似ないようにする」ということが重要になる。
筆者が広告会社に勤務していた際も、「これは○○に似ているから、修正してください」のようなやり取りを何度か目にしたことがある。
盗用疑惑が巻き起こった有名な事例として、アートディレクター・佐野研二郎氏デザインの東京2020オリンピックの公式エンブレムがある。
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