古都の名物「よもぎ餅」、"高速餅つき"で作り続けて30年以上。《社長が語る半生》挫折の先に見つけた一生の仕事、守り続ける母の味

素早くつくことが特徴の「高速もちつき」は、故郷に伝わる伝統の技だ(写真:中谷堂提供)
鹿が行き来する奈良公園のそば、東向商店街に威勢のいい掛け声と杵を打ち付ける音が響き渡る。音を発しているのは、つきたてのよもぎ餅を提供する中谷堂(なかたにどう)だ。
高速餅つきに視線釘付け
店頭にはアクリル板の仕切りが設けられ、その向こうで餅つきの職人たちが腕を振るう。
付近を散策していた観光客たちは足を止め、中谷堂の代名詞ともいえる「高速餅つき」に釘付けだ。国内外の多くのメディアで紹介され、今や奈良観光の目玉の一つとなっている。

外国人観光客の姿も目立つ中谷堂の店頭(写真:筆者撮影)
この高速餅つきを取り仕切るのは、中谷堂の社長、中谷充男さん(63歳)。取材時に実演してもらった餅つきは、カメラのシャッターが追い付かないほどの速さだった。

社長の中谷充男さん(写真:筆者撮影)
トピックボードAD
有料会員限定記事
ビジネスの人気記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら