高市早苗新総裁の素顔、ジェンダー平等を推進する立場とは一線を画す姿に「おじさんの意見を女性の口から発して喜ばれるタイプ」との分析も
総裁選では自らを「穏健保守」と位置付け、右寄りのイメージ払しょくに努めた。特に首相に就任した場合の靖国神社参拝に関しては、「心静かに適宜適切に判断する」と9月24日の討論会で述べるなど、続行を明言した昨年とは違う対応を見せた。
同神社に合祀(ごうし)されている極東国際軍事裁判(東京裁判)のA級戦犯の扱いに関し、刑を執行されれば罪人ではないと27日収録のインターネット番組で指摘。首相就任後も参拝の機会をうかがうとみられるが、参拝すれば中国や韓国からの反発は必至で、日中・日韓関係にマイナスの影響を及ぼしかねない。
就任会見では、靖国神社は戦没者慰霊の中心的な施設であるとして「どのように慰霊するか適時適切に判断する」と言うにとどめた。「絶対にこれは外交問題にされるべきことではない」とも語った。
バイク、ヘビメタ
父はメーカー、母は奈良県警に務める共働き家庭で育った。非世襲の自民総裁は菅義偉元首相以来となる。県立高校を卒業後、神戸大学経営学部で学んだ。
大学在学中はバイクに乗り、ヘビーメタルバンドでドラムを担当した。ブラック・サバスやアイアン・メイデン、ディープ・パープルのファンで、今でも夫との口論の後に自宅の電子ドラムをたたくこともあるという。
大学卒業後は未来のリーダー育成を目的とした「松下政経塾」に入塾し、政治の道を志す。1993年の衆院選に無所属で出馬し初当選。2006年に安倍政権で内閣府特命担当相として初入閣し、第2次安倍政権以降は総務相、自民党政調会長などの要職を歴任した。
熱心な勉強家として知られ、幅広い政策分野に精通している。高市氏を支持した西田昌司参院議員は、各分野の細かい点まで「専門家以上にものすごく勉強されている」と高く評価した。一方で、首相就任後もそうした姿勢を貫けば「体がもたない」とし、「個別の問題はそれぞれ役所や大臣に任せた方が、安定して政権を維持できる」と気遣う発言もあった。
著者:照喜納明美
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