高市早苗新総裁の素顔、ジェンダー平等を推進する立場とは一線を画す姿に「おじさんの意見を女性の口から発して喜ばれるタイプ」との分析も
高市氏は9月19日の出馬表明の記者会見で、「日本経済は成長できます。私は成長させます」とアピール。経済安全保障に不可欠な人工知能(AI)や半導体などの分野に大胆な投資を行い、経済成長を実現する考えを鮮明にした。
推薦人を務めた中村裕之衆院議員は総裁選期間中、高市氏の経済成長を志向する姿勢に支持が集まっていると指摘。「霞が関の代弁者でなく、国民のための政治を一番やってくれる人だろうという期待感」があると話していた。
保守票
今回の結果は、7月の参院選での大敗によって自民党内に生じた強い危機感が背景にある。高市氏を「自民党の顔」とすることで参政党などに流れた若年層を中心とする保守票の一部を引き戻す意向が働いたとみられる。
元同党職員で政治評論家の田村重信氏は、「党員票によって国会議員の投票行動が左右された」と指摘。高市氏が自民党から離れた層を引き戻すことを「期待されているところは非常に大きい」とし、外国人政策の見直しや憲法改正への取り組みを通じて支持を回復できるかどうかが「一番大きなポイントだ」と述べた。
高市氏の総裁としての任期は2年残っており、衆院解散がなければ約3年後まで国政選挙が想定されないため、「長期政権になり得る可能性がある」との見方も示した。