ヨハネスさんは「やっぱり僕の頭はちょっとおかしいのかも」と笑う。基本的に仲良しだからこそ、生活のささやかなことで楽しくぶつかって相性の良さを確かめ合っているのかもしれない。
子どもの頃から「20代で結婚をして子どもは3人」という将来を思い描いていたという聖子さん。ヨハネスさんとの子どもも望んだが無理だとわかり、今は2人での暮らしを満喫することにしている。
「もう少し早く彼と結婚していれば、と思うことはあります。でも、ヨハネスとは来世でも一緒になれるはず。そのときにいっぱい子育てしようねと話しています」
住む場所は関係ない、私の夫こそが自分の「帰る家」
日本という国には馴染めない、自分の国ではない、と思い続けてきた聖子さん。実は、若い頃に「自分の国」と想定していたのはフランスだった。そのフランスにはまだ一度しか訪れていない。

「ヨハネスと一緒ならば、フランスでも日本でも住めると思います。私の居場所は、オランダではなくヨハネスだったんです」
人の性格や価値観は多様なので、それぞれの肌に合う国や地域はあると思う。ただし、「自分の家」の住み心地が悪かったら意味がない。
一人暮らしの家を自分なりに充実させて満足する人もいるだろう。それも豊かな暮らし方だ。ただし、家族がいる場合はその関係性が居心地の大きな要素となる。聖子さんとヨハネスさんにとっては、相手こそが自分の帰る家なのだ。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら