「その仕事の関係で初めてオランダに滞在したのが20代前半の頃です。支援をしたオランダ人家族と心の交流ができた気がして、『絶対に戻ってきてね』とも言ってもらいました」
そこから、3年に一度ぐらいのペースでオランダと日本を行き来する生活を始めた聖子さん。30代後半で、オランダに1年間暮らす機会に恵まれた。
日本語会話クラブで果たした「運命の出会い」
しかし、英語ができない聖子さんは精神的に追い詰められてしまう。そこで探したのが、フェイスブック上の「日本語会話クラブ」。ヨハネスさんとの出会いの場だ。
「日本語が話せるのは息抜きになりますし、ついでにオランダ語も学べるならば一石二鳥です。様々な国籍の方が50人ぐらい参加しているサークルで、オフ会で見た彼は一番下っ端に見えました(笑)。実は彼が主宰者だったと知ったのは、後になってからです」
余談になるが、何かの集まりを主宰する男性はモテやすい。行動力やリーダーシップ、人望などを示せるからだ。加えて、その場で威張ることなく黒子役に徹した場合、賢い女性参加者からの評価はさらに上がる。ヨハネスさんがそれを狙っていたわけではないが、結果として聖子さんと仲良くなった。
「彼は13歳も年下で、しかも彼女がいる様子だったので、恋愛対象ではありませんでした。彼より日本語が堪能なオランダ人もいましたが、私が日本に帰国してからもコンスタントにLINEや手紙をくれたのは彼だけです」
ヨハネスさんも、上智大学への交換留学で日本で1年間過ごしたことがある。しかし、周りの留学生も日本人学生も英語を話せる人が多かったため、日本語をあまり学べなかったという後悔があった。そこで、オランダに帰って日本語会話クラブを立ち上げたのだそうだ。聖子さんには初対面のときから「いい雰囲気」と「安心感」を感じたと明かす。
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