「完璧でなくていい。間違えてもいい。でも、諦めない…」 timelesz・猪俣周杜に見る「愛される若手」の"正体"
③努力を隠さない「新しい強さ」
最終審査前、猪俣は「僕も怖かったけどここまで頑張ったから後悔はないし、もし名前を呼ばれなかったとしてもやり切ったとは思っていました」と語っている。(『anan2438号』)
実際、オーディション候補生同士のアンケートで、猪俣は「努力ハンパないと思う候補生」の第1位に選ばれた。同じ境遇の仲間から見ても、群を抜いて努力家であることが認められていたのだ。努力を隠さず、でも押し付けがましくもない。この絶妙なバランスが、周囲から「応援したくなる」存在として受け入れられる理由だろう。
一般的に「努力を見せないのが美学」という価値観が根強い日本社会において、猪俣の姿勢は新しい。
しかしながら、リクルートマネジメントソリューションズの『働く人の本音調査2025』によると、特に20代社員は「自分の努力や成果が周囲から評価されているかどうか」を重視することを示している。個人の努力を“見える化”し、フィードバックすることは、モチベーションにもつながるのだ。
加入後の活躍に見る「天然×努力家」の新しい価値
2025年2月15日に正式発表されてから、猪俣の活躍は目覚ましい。
加入からわずか2カ月後の4月、先述の『ニカゲーム』(テレビ朝日系)に出演。すると、大きな反響がありマンスリー史上最高の合計182万再生を記録し、TVer見逃し配信のバラエティー部門で首位を獲得。6月には1時間枠の特番も全国放送され、見逃し配信の総再生回数が350万回を超えた。8月にはリアルイベントを開催し、とうとう10月からの番組のレギュラー化が決定した。
この躍進を支えた要素の一つが、猪俣の「愛され力」だろう。番組内で「この曲なんだろな?」と題して、有名曲の歌詞を二階堂が英語で説明し、猪俣が何の曲か当てるゲームがあった。二階堂が意味不明な英語「アップ・ツー・ダウン・ユー……サイドツー・ミー」と言うと、猪俣が理解し、正解を導き出した"奇跡のシンクロ"は話題となった。
そして、二階堂本人はもちろん、ファンが猪俣を迎え入れ、SNS上で番組を盛り上げていた姿も印象的だった。失敗を恐れず挑戦する姿勢や、独特の愛されキャラが「できない同士の共感」という新しい笑いと、グループを超えた支持を生み出している。
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