10円駄菓子《ヤッターめん》「取引先夜逃げで未払い1500万」「粗利数円」でも倒産せずに借金ゼロを貫く大阪町工場の "逆説の経営哲学"
数十個をまとめた「袋入りヤッター!めん」も開発した。だが、この商品は取引先によって「仕入れてくれる、くれない」が別れているそうだ。悩みながらの試行錯誤は続いている。

「これしかようせん」が生む100年企業の強さ
近年はヤッターめんを筆頭に、約20種類の駄菓子を手掛けているジャック。売れ筋のヤッターめんのほか、スクラッチくじ付きラムネ菓子「サッカースクラッチ」も人気で、毎日生産している。

駄菓子の中身は他メーカーから仕入れるだけでなく、自社製造も行っている。チョコやグミ、ウエハースのクリームサンドがこれに該当し、なかでもグミは、中野さんが3年をかけて研究し、独特の「もちもち食感」を実現した自信作だ。

しかし、これら多彩なラインナップのなかに、「大人向け」の商品はない。
「大人が懐かしいから買う、では商売にならへん。あくまで駄菓子は子供向けのもの、売れる量が全然ちゃいます。普通の菓子もやりません。うちはバカの1つ覚えみたいに駄菓子一筋。そこに関しては、どこにも引けをとらない自信がある」
だからこそ、厳しい状況のなかでも生き残ってこれた。二番煎じに走っても、結局失敗するだけだ、と。そして、困ったような笑顔でポツリと呟いた。
「というか、これしかようせんのです」
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