「亀のスープの作り方とは?」、朝ドラ「ばけばけ」で注目・小泉八雲がアメリカ時代にまとめた唯一の料理本がユニークすぎた

来日以前の若き日にまとめた料理本
ラフカディオ・ハーンは、古く美しい日本の風物や民話を魅力的な文章で欧米読者に紹介し、晩年には日本に帰化して小泉八雲と名のった著述家のことである。日本では「雪女」「耳なし芳一」「むじな」などの作品をとおして親しまれてきた。
『小泉八雲のレシピ帖』(原題:La Cuisine Créole/クレオール料理)は、そんなハーンが来日以前の若き日にまとめた料理本で、友人知人たちから聞いて書き留めたレシピ満載の、興味深い一冊である。
ハーンは1850年、ギリシャ生まれ。その後、アイルランドに移ったのち、19歳の時に単身アメリカへ。職を転々とする苦労の末、新聞記者として認められるようになり、シンシナティで、さらにはニューオーリンズで健筆をふるう一方、翻訳や創作にも活動を広げていく。
ニューオーリンズはミシシッピ川の河口近くにある港町で、アメリカには珍しいラテン系の街でもある。
まだシンシナティにいた頃、ジョージ・ワシントン・ケイブルという人物の文章をたまたま読んで心をひかれたことが、ハーンにニューオーリンズ行きを決意させた理由の一つと言われる。ケイブルが描いたニューオーリンズのクレオール文化に、ハーンは夢中になったのである。
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