中国人訪日旅行に異変、急速に進む個人化

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JTBエイティーシーの吉村久夫社長は「日本でのオペレーションを民族系に任せていた中国の旅行販売会社が、個人旅行化を契機に当社へ依頼し始めた」と話す。

大手ではJTBのほか、KNTがアジア訪日客のインバウンド業務を行うKNTアジアを昨年1月設立、エイチ・アイ・エスも昨夏に同業務大手のジャパンホリデートラベルに資本参加した。また「中国人への訪日旅行販売にも食い込む」(KNTの稲田正彦訪日旅行部長)ため、日系大手旅行会社の現地企業設立(JTBは合弁で取り扱い許可済み)や多言語対応の旅行予約サイトの立ち上げも盛んだ。

「10年後の訪日需要拡大のうち、半分以上は個人旅行になる」と吉村社長。政府が観光戦略で掲げる16年訪日外国人1800万人目標(10年861万人)の本丸となる中国人ビジネス。やっと薄日が差してきた。

(野村明弘 =週刊東洋経済2012年4月28日・5月5日合併特大号)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。撮影:尾形文繁

 

野村 明弘 東洋経済 解説部コラムニスト

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のむら あきひろ / Akihiro Nomura

編集局解説部長。日本経済や財政・年金・社会保障、金融政策を中心に担当。業界担当記者としては、通信・ITや自動車、金融などの担当を歴任。経済学や道徳哲学の勉強が好きで、イギリスのケンブリッジ経済学派を中心に古典を読みあさってきた。『週刊東洋経済』編集部時代には「行動経済学」「不確実性の経済学」「ピケティ完全理解」などの特集を執筆した。

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