神戸電鉄の名車「往時の姿」取り戻したファンの愛 有志によるクラファンで「デ101号車」を復元

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神戸電鉄 101号車
前面と片方の側面の復元工事を終えた神戸電鉄「デ101号車」。こちら側から見ると製造時の姿そのままだ(撮影:伊原薫)

兵庫県南部を走る神戸電鉄。地元では「神鉄」と呼ばれ、神戸市中心部の新開地から鈴蘭台を経て有馬・三田方面と三木・粟生(あお)方面へ、Y字状に路線を延ばしている。

神鉄が運営する路線は、1928年11月にまず湊川―電鉄有馬(現:有馬温泉)間が、その翌月に唐櫃(からと、現:有馬口)―三田間が開業した。

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新開地と有馬温泉を直結

「日本の三古泉」の一つとされる有馬温泉は、関西の奥座敷として人気を集める反面、アクセスに課題を抱えていた。神鉄がこの地に線路を引いた最大の理由もここで、当時は全国有数の歓楽街だった新開地と有馬を直結。観光客や湯治客を運んだ。

三田から有馬温泉へはすでに国鉄有馬線が営業していたが、神鉄は温泉街の中心部まで電車による高頻度運転を行い、シェアを奪った。国鉄有馬線は1943年に運行休止となり、そのまま廃線となっている。

そんな神鉄は、前述のとおり開業時から電車による営業を行っていた。当初は旅客輸送専門のデ1形と荷物室を併設したデニ11形を導入。翌年には早くもデ1形を増備したほか、乗り心地の向上を狙って台車を改良した新形式を投入した。それが今回取り上げる、デ101形である。

【写真】神戸電鉄の開業間もない当時を知る生き証人ともいえる車両「デ101号車」。1970年撮影の貴重な写真も。営業運転からの引退後、長い時を経て往年の姿を半分取り戻した名車の外観と車内を見る(21枚)
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