女性は1人ではトイレに行ってはいけない…「防災のプロ」が明かす、避難所生活の"語られない"暗部

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最初のうちは、助け合ったり、思いやり合ったりしていたとしても、だんだん疲弊してストレスが溜まってくると、思いやりを持てなくなる人も増えていきます。ストレスのはけ口として、暴言を吐いたり、暴力をふるったりする人も少なくありません。

女性はトイレに1人で行ってはいけない

私の取材では1週間で人が変わることが多いようです。物の取り合いが起き、ちょっとしたことで諍いが起きます。盗難もあります。

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驚くかもしれませんが、性犯罪も多発しています。女性が夜トイレに行くときは、1人で行ってはいけません! 夜は必ず誰かと一緒に行き、必ずホイッスルも持っていってください。昼間でも、できるだけ、誰かと一緒に行ってください。

体調を崩さず、少しでも精神的に落ち込まないために私がおすすめしたいのは、ちょっとした「いい習慣」を作ることです。たとえば、「朝のラジオ体操」や「散歩」、「手芸」などの趣味のこと、あるいは避難所の「運営の手伝い」などでもいいでしょう。

そういう、ちょっとした「いい習慣」によって生活が規則正しくなり、少しでも潤いのあるものになれば、それがあなたの心と体を支えてくれます。ごく簡単なところでは、たとえば挨拶を心がけるだけでも、大きく違ってくるはずです。

長い避難所生活では、心身ともに健康でいることがとても大事です。しっかり食べ、体を動かし、周囲の人と楽しく会話するなど、少しでもストレスを解消するために「あの手この手」で切り抜けてください。

本や嗜好品を持ち出し袋に入れておくとか、トランプやボードゲームなど、電気を使わずに遊べるものを用意しておくなど、ぜひ「自分なら?」で考えてみてください。

永田 宏和 防災プロデューサー、NPO法人プラス・アーツ理事長、デザイン・クリエイティブセンター神戸センター長

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ながた ひろかず / Hirokazu Nagata

1993年、大阪大学大学院修了。2005年、ファミリーが楽しく防災を学ぶプログラム「イザ!カエルキャラバン!」を開発。2006年、NPO法人プラス・アーツを設立し、理事長に就任。現在、全国各地及び、中国、台湾、東南アジア、中南米など海外での防災教育普及に積極的に取り組む。東京メトロ、三井不動産グループ、JT、無印良品、NHKなど企業・メディアが展開する防災啓発プロジェクトの企画プロデュースにも数多く携わる。

『第6回21世紀のまちづくり賞・社会活動賞』受賞、『第1回まちづくり法人国土交通大臣賞【まちの安全・快適化部門】』受賞。国際交流基金『地球市民賞』受賞。JICA理事長賞受賞。TBS「情熱大陸」、日本テレビ「世界一受けたい授業」などテレビ番組にも多数出演。

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