劇場版「鬼滅の刃」最新作が北米で歴史的ヒット!「ミュウツーの逆襲」超え、日本アニメ映画の《北米歴代最高興収》を更新。熱狂の背景を解説

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ハリウッドで行われたプレミアイベント
ハリウッドで行われたプレミアイベント(提供:クランチロール)
ハリウッドで行われたプレミアイベント
プレミアイベントの様子(提供:クランチロール)

北米でも映画を「リピート」するファンが

SNSでは、北米現地のファンによる“take 5”(5回目の鑑賞)といった複数回鑑賞を示すファンの投稿も確認できました。

日本ですっかり定着した劇場でのアニメ映画の複数回鑑賞ですが、こうしたことも頻繁に足を運べる距離の映画館で連日上映が行われていないことには気軽にできません。多くの人が足を運べるだけでなく、1人が何度も映画館に足を運べるようにもなる……興行規模の拡大はそうした面でも、北米での本作のヒットに一役買っていると考えられます。

他にも、現地では劇場によって“鑑賞特典の配布”や“作品コラボのドリンク・ポップコーンが販売”されているという情報も見られました。これらは日本ではお馴染みの劇場施策ですが、日本と同じものがそのまま海外でも実施されるわけではないので、現地での実施には改めて新たな施策を用意する必要が生じます。

その際のグッズ監修などの作業を考えると、アニプレックスと連携するクランチロールが本作の世界配給(日本とアジアの一部地域を除く)を担っていることも、かなり盛り上がりの後押しとなっていそうです。

どれほど注目度や話題性が高い作品であっても、作品を求める人へ十分に届かなければ大きな盛り上がりを生むことは難しくなってきます。それがいつでもどこでも視聴できる配信ではなく、現地の映画館やスクリーンの確保が必要なアニメ映画の興行であればなおさらです。

今回の『無限城編』の北米での盛り上がりも、シンプルな作品人気に加え、現地でこれほどの興行が行えるまでにアニメ映画の配給体制やアニメの社会的な需要が醸成されてきたことが大きかったのでしょう。

小新井 涼 アニメコラムニスト

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こあらい りょう / Ryo Koarai

アニメコラムニスト。北海道大学観光学高等研究センター研究員。博士(観光学)。 KDエンタテインメント所属。 毎週約100本以上の全アニメを視聴し、全番組の感想をブログに掲載する活動を10年以上継続中。様々な媒体へのコラムの寄稿や番組へのコメンテーター出演をする傍ら、学術的な観点からもアニメに関する研究をしている。近年はその知見を活かし、クランチロール・アニメアワードや声優アワードで審査員や選考委員も務める。著書に「鬼滅フィーバーはなぜ起こったか? データで読み解くヒットの理由」(インプレス)。

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