「ポスト石破」「自民党再生」をめぐって盛り上がるはずがナゼ? 総裁選2025が見事に《中だるみ》に陥ってしまった大きな原因

9月22日に告示され、10月4日の投開票に向けて各陣営のせめぎ合いが繰り広げられている自民党総裁選挙。5人の候補の論戦は、9月24日午後の日本記者クラブ主催の討論会が大きな節目となった。
討論会では、記者からの厳しい質問に各候補が苦しい釈明に追われる場面が相次いだ。とくに、昨年の討論会で主張した内容の修正・撤回が目立つ小泉進次郎農林水産相に対しては、「なぜ主張を変えたのか」「小泉らしさが失われた」などの批判・追及が目立った。
昨年の総裁選では、本命視されていた小泉氏がこの討論会で「不用意で意味不明な答弁を連発」(政治ジャーナリスト)して失速。決選投票にも残れず、敗北した経緯がある。
その反省からか、今回の質疑応答で小泉氏は“安全運転”に徹することで、失点を最小限にとどめる戦略を展開。昨年は目玉公約として「一気に決着をつける」と踏み込んだ選択的夫婦別姓制度の導入を今回は封印したことに対して「まだ44歳でそんなに慎重でどうするのか」と突っ込まれた小泉氏は、あえて笑顔を絶やさずに「年齢ではなくて、責任ある立場の者は、慎重さは兼ね備えるべきだ」と穏やかに反論した。
さらに「ペーパー(回答要領)ばかりを見てしゃべっている」と揶揄されても、「公務の合間をぬって何度も推敲(すいこう)を重ねた。いかに正確に思いが伝えられるかに重きを置いたつもりだ」と、これも笑顔で釈明してみせた。ただ、ネット上の視聴者からは「カンペ(カンニングペーパー)専門」との厳しい書き込みも相次いだ。
高市氏の「シカ戦略」に身内からも不安の声
これに対して、小泉氏とのトップ争いが注目されている高市早苗前経済安保担当相も、「超保守」とされる主張を隠した、“守り”優先の姿勢が際立った。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら