世界でわが道を行くJT、安い紙巻きたばこに注力、リスク低減製品への投資も進めているがそのペースは緩やか

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JTIも加熱式たばこやニコチンパウチなどの「RRP」(リスク低減製品)への投資を進めているが、そのペースは緩やかだ。

加熱式たばこの本体「プルーム・オーラ」を5月から日本で販売し、今月にはスイスでも発売した。JTIは米国でのプルーム商業化に向けてアルトリア・グループと戦略的な合弁会社も設立した。

広報担当者によれば、JTIは22年-24年、リスク低減製品の品ぞろえ強化に向け3000億円を投じており、25年から27年にかけては6500億円超の投資を表明している。ただ、無煙製品の売り上げ目標は示していない。

有利な立場

米国市場でJTIは、安いブランドを保有していたベクター買収を通じ、有利な立場を得てきた。喫煙者はインフレや税引き上げに苦しみ、たばこメーカーは紙巻きたばこの販売量減少を補うため価格を引き上げている。

コンシューマー・エッジのアナリスト、コナー・ラティガン氏によれば、21年以降プレミアムブランドのシェアは着実に低下しており、分析対象のたばこの売上高に占める比率は、約80%から約70%に減少した。

「かつてと異なり、特定のブランドへの人々の忠誠心は薄れている。ブランドよりも価格を選ぶだろう」とシチズンズ・ロビーイング・アゲインスト・スモーカー・ハラスメント創設者、オードリー・シルク氏は語る。

ただ代替製品が世界的に普及する中でも、伝統的なたばこ産業は依然として規制が強く安定しており収益性が高い。

「紙巻きたばこは製造コストが比較的低く、顧客層は文字通り製品に依存している」とパブリック・ヘルス・ロー・センターの商業たばこコントロール・プログラムズ副ディレクター、デズモンド・ジェンソン氏が指摘する。

同氏の見解によれば、JTIによるベクター買収のようなディールの論理は明白だ。

「最も有害な製品に焦点を当てた事業分野拡大のために、なぜ資金を投じるのか。答えは非常にシンプルだ。圧倒的に最も収益性の高い商業用たばこ製品だからだ」と語った。

著者:Sabah Meddings、Fiona Rutherford

ブルームバーグ
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