世界でわが道を行くJT、安い紙巻きたばこに注力、リスク低減製品への投資も進めているがそのペースは緩やか

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セルビアにあるJTのたばこ工場Photographer: Oliver Bunic/Bloomberg

低価格たばこの売り上げが増加

赤と青のパッケージに入った「イーグル 20’s」は価格に敏感な米国の喫煙者が選ぶ紙巻きたばこの一つだ。これほどお得なら米国製を選ぶのは簡単だと、ウェブサイトでうたっている。

コロラド州ロングモントの酒類販売店「ツイン・ピークス・リカー」のオーナー、ゲイリー・ブッフホルツ氏は「以前は高いブランドを買っていた人々が、今は安価な銘柄に向かっている」と話す。 

経済的圧力や物価の上昇が米消費者を苦しめる中、「イーグル 20’s」「ピラミッド」「モンテゴ」といった比較的安い銘柄の売り上げ増を同氏は目の当たりにしてきた。

これら3ブランドは、いずれも日本たばこ産業(JT)傘下のJTインターナショナル(JTI)が所有するものだ。JTIは2024年10月、ブランドを保有していたベクター・グループを24億ドル(約3600億円)で買収した。

その後、低価格たばこの米市場シェアが27年までに40%超に達すると予測。22年時点では約32%だった。

ベクターの買収は、JTが競合他社と異なる道を歩んでいることを示す。

パンミュア・リベラムのアナリスト、レイ・マイレ氏は2月のリポートで、「はやりの見解ではないかもしれないが、紙巻きたばこは収益を生む。しかも大きな利益だ」と指摘。「JTIは、これを恥じていない」と説明した。

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