世界でわが道を行くJT、安い紙巻きたばこに注力、リスク低減製品への投資も進めているがそのペースは緩やか

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競合する米フィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)や英ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)は電子たばこや加熱式たばこ、ニコチンパウチなど「煙の出ない」製品を巡って野心的な目標を掲げてきた。これに対しJTIは、従来型のたばこ製品に注力している。

ベクターの買収に先立ち、18年にバングラデシュのアキジグループのたばこ事業を買収。またその前年にも、たばこ葉にクローブを混ぜた「クレテックたばこ」を生産するインドネシアのカリヤディビア・マハディカ(KDM)を取得している。

パッケージや風味、品質の向上に注力

またJTIはたばこブランド、ウィンストンとキャメルに投資し、米国外で販売。ドイツやスペイン、イタリアといった市場でシェアを拡大している。同社はパッケージや風味、品質の向上に注力していると広報担当者が電子メールでコメントした。

ニューヨークのスモークショップで電子たばこを使用する人Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

こうした戦略は成果を上げてきた。同社の紙巻きたばこの販売量は24年に2%増加。売上高は9%、利益は10%増となった。

無煙製品は伝統的なたばこよりも健康へのリスクが低い場合があるものの、危険性がないわけではないと専門家は指摘する。

米疾病対策センター(CDC)によれば、ニコチンは中毒性の高い化学物質で、特に若年層や妊婦には危険だ。加熱式たばこ用スティックは燃焼させるタイプに比べ有害成分が少ないものの、安全なたばこ製品は存在しないという。

それでも、紙巻きたばこから害の少ない代替製品へと喫煙者の移行を進めていると他社が説明している中で、JTIの戦略は議論を招くものに見える可能性がある。

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