コマツ、日立建機が直面した中国市場不振 日米大手は今期減益へ、人員削減に躍起

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鉱山機械では交換部品やメンテナンスに一定程度の引き合いがあり、実際に売り上げを得る機会も見られるが、本体需要の落ち込みをカバーするにはまだ遠い。中国などの景気が好転しないかぎり、資源価格や投資意欲の反転は望み薄。利益の源泉である機械本体の需要については、「もう一段の減少も考えられる」(クレディ・スイス証券の黒田真路アナリスト)。

不安材料はまだある。これまで比較的順調に推移してきた北米や欧州、日本における受注も、コマツや日立建機が期初に見込んでいた水準を若干割り込みそうなのだ。

明るい兆しの見えない建機業界。各社は中国をはじめ需要の冷え込む地域を中心に、工場の稼働日数を縮小するなど、生産調整の対応に追われている。が、それだけでは、追いつけそうにない。

希望退職で人員削減に着手

1万人規模の人員カットを打ち出したのがキャタピラーだ。今までに3万人超、約20拠点の削減を打ち出してきたが、追加でリストラせざるをえなくなった。コマツも2013年以降、米中などの拠点で3500人以上減らしてきた。

さらには日立建機も11月中旬から、本社での早期退職募集に踏み切る。対象は35歳以上の社員。人数は明らかにしないが、桂山哲夫CFOは「業界で取り残されず、20年、30年先も生き残れるように体制を築く」と意義を強調した。構造改革費用を今期112億円計上、類似製品の生産集約も進める。同業より高い販管費率を引き下げ、減収でも利益を捻出できるよう、体質改善を図る狙いだ。

もっとも、単なる合理化では縮小均衡に陥るため、各社は次の一手も模索。日立建機の場合、案件の取りこぼしを徹底的に潰すため、鉱山機械の消耗部品ではより安価で現場に近い、地場の部品メーカーに接近する。グループ内に取り込み、日立ブランドの品質を担保しながら販売してもらえるよう、提携相手をジワジワ増やしているという。

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