「稼ぐ力」で際立つ!最新「四季報」営業利益率の改善度TOP50 インフレ下でもコストを抑えて伸びる会社はどこ?

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2位にはシェアリングテクノロジー(3989)が入った。「暮らしのお困りごと」を抱えた一般ユーザーと、それを解決する専門業者とをマッチングさせるプラットフォームを展開している企業だ。直近の通期業績である2024年9月期の営業利益率は23.9%で、過去5期平均と比較した改善幅は23.7ポイントだった。

一時期は集客で重要なツールであるウェブ広告の価格が高騰した煽りを受け、業績が沈んでいた。だが、事業を住まい関連に集中させることで、広告を絞り込む戦略が奏功。2021年9月期には51%まで跳ねた対売上総利益比での広告宣伝費率は、2022年~2024年の各9月期は47~48%程度で安定している。

そのようにコストをコントロールしつつ、データの蓄積と分析を生かしてマッチング率の改善に取り組んできた成果が出ている。一部事業の切り離しで2019年9月期の79億円からいったんは30億円台にまで減った売上高の規模を、2024年9月期には75億円へと復元。費用をセーブできている分、営業利益率が大幅に改善している。

3~7位には東海旅客鉄道(9022)、「カラオケまねきねこ」を展開するコシダカホールディングス(2157)ABホテル(6565)、お土産やギフト用に強いお菓子メーカーの寿スピリッツ(2222)日本スキー場開発(6040)がランクインした。これらの企業はコロナ禍で人の移動が大幅に減った影響を受けて業績が一時的に悪化し、そこからの回復で営業利益率が急改善した面が大きい。

アシックスは好採算の「オニツカ」等が急成長

コロナ前と比べても利益率の改善が顕著なのが22位のアシックス(7936)。言わずと知れたランニングを核とする世界的なシューズメーカーだ。2024年12月期の営業利益率は14.8%で、過去5期平均と比べて10ポイント上昇した。

大きな要因は2点ある。まず第1に、柱のランニングシューズの収益性向上だ。厚底、高反発のトレンドを取り入れたシューズの販売が好調なうえ、薄利の廉価版モデルをやめて中高価格帯モデルに集中する戦略を採ったことが、採算良化につながった。

さらにカジュアルファッション領域のシューズで「オニツカタイガー」とスポーツスタイルシューズの成長が著しい。アシックスの創業から間もない時代のシューズを再現したレトロの「オニツカタイガー」は中華圏や東南アジアで高い人気を誇る。最近はアジアからの訪日外国人による消費で、国内販売を急激に伸ばしている。

さらに「ゲルカヤノ」などランニング靴の歴代モデルをベースにデザイン性を凝らしたスポーツスタイルシューズも、テック系ファッションのトレンドに乗って欧州や中国などで人気化。いずれも高単価でランニングシューズより利益率が高い。その売り上げ拡大が利益率を大きく押し上げている。

今回の記事では利益率改善度の上位を抜粋したランキングを紹介したが、『会社四季報』2025年4集(秋号)の各社のページでは、それぞれの営業利益率の改善度を載せている。同業他社と比較するなどして、競争力を高めている企業や、成長が期待できそうな企業を探すのに役立ててほしい。

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