不調の原因は「体内のエネルギー工場」の弱体化にあった?知っておきたい「ミトコンドリアと病」の関係

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サルコペニア(筋肉減少)

筋肉量の減少、筋力が低下する状態をサルコペニアと呼びます。近年、その危険性が声高に叫ばれているので、この言葉を耳にしたことがある方も多いかと思います。

65歳以上の約2割がサルコペニア

65歳以上の日本人ではなんと約20%の人がサルコペニアであるといわれ
ています。

『ミトコンドリアから読み解く老化と再生 - 「老けた人」と「若々しい人」の違いはミトコンドリアだった!』
『ミトコンドリアから読み解く老化と再生 - 「老けた人」と「若々しい人」の違いはミトコンドリアだった!』(ワニブックスPLUS新書)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

その原因は加齢によるものと、栄養、活動不足などによるものとされていますが、進行すると、転倒しやすくなり、要介護状態となります。また、合併症の頻度、死亡のリスクも高まります。

筋肉量は20代をピークに、何もせず放置していれば、30代からは年に1%の割合で減少し、その減少率は、60代、70代となると加速度的に増えてしまいます。

70代になると、その筋肉量は20代の頃と比較するとなんと30%も減少しているともいわれているのです。

筋肉もまた、ミトコンドリアの働きで動きます。したがって、年齢、生活習慣などでミトコンドリアが減ると、筋力が落ちて疲れやすくなり、サルコペニアになっていきます。

がん・免疫低下

ミトコンドリアは、細胞が「増える・死ぬ・守る」判断にも関わっています。その働きが乱れると、免疫力が下がったり、がん細胞が暴走することがあります。

また、mtDNA(ミトコンドリアDNA)の変異が、がんの発生や進行に深く関わっていることが近年、明らかになってきています。

武本 重毅 聚楽内科クリニック院長

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たけもとしげき / Shigeki Takemoto

1960年生まれ。熊本大学医学部を卒業し、熊本大学第二内科に入局。熊本大学大学院医学研究科(脳・免疫統合科学系独立専攻免疫病態学講座)博士課程修了後、1996年から1999年まで、アメリカの国立衛生研究所の国立癌研究所にて客員研究員としてウイルス発がん・腫瘍免疫を学ぶ。帰国後、高知大学医学部附属病院第三内科学内講師、2005年より国立病院機構熊本医療センター統括診療部血液内科医長等を歴任し、2011年熊本大学大学院医学教育部臨床国際協力学分野客員准教授に。2017年4月より現職。新型コロナウイルスパンデミックを機に、「老化を治し、若返っていく」治療に取り組み、アンチエイジングの考えを毎日の治療に取り入れ「アンチエイジング3本の矢Ⓡ」を実施している。著書に『老化は「治る」 - 健康寿命を延ばす実践的アンチエイジング論 -』(ワニブックス【PLUS】新書)。

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