不調の原因は「体内のエネルギー工場」の弱体化にあった?知っておきたい「ミトコンドリアと病」の関係

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⃝ 加齢(年をとること)
年齢とともに、ミトコンドリアの数や質は自然と低下します
⃝ ストレス・睡眠不足・食生活の乱れ
生活習慣の乱れが、ミトコンドリアの働きを鈍らせることがわかっています
⃝ 酸化ストレス(活性酸素)
ミトコンドリア自身がエネルギーを作る時に生まれる活性酸素が、自分のDNAや膜を傷つけてしまうという皮肉な面があります

活性酸素とは、空気中に含まれる酸素を呼吸することにより取り込んで、エネルギーを作り出すことによって生まれたもので、非常に強い酸化作用を持っています。

たとえば、鉄も酸化によって錆びてしまいますし、木も酸化によって燃えてしまいます。酸素というものは大事なものであるとともに、危険なものです。

ミトコンドリアは自身がエネルギーを作る時に酸素を利用しているのですが、そこから生まれる強力な酸化作用を持つ活性酸素の破壊力にはとてもかなわず、自分のDNAや膜を傷つけてしまうのです。

生きる、という活動はいろいろと矛盾した良い面、悪い面をともに担っていくことにほかなりませんが、この活性酸素の発生も、生きることの複雑で皮肉な側面を物語っています。

ミトコンドリアが弱ると…

ミトコンドリアが弱ったり、減少した場合、少なくとも以下のような病気になる可能性が考えられます。

認知症・アルツハイマー病

脳はたくさんのエネルギーを必要とします。

認知機能が低下して、日常生活、社会生活に支障をきたす「認知症」の問題が、高齢化社会の到来とともに、クローズアップされてきました。認知症の中でも大きな比率を占める、アルツハイマー型認知症の研究が進んでいます。

以前より、神経細胞が減って、記憶障害などの認知機能が低下している人(アルツハイマー型認知症)には、脳の大脳皮質に老人斑(アミロイド斑)というシミのようなものができている、と観察されていました。

この老人斑と認知症の因果関係が、近年着目されるようになり、老人斑の成分とミトコンドリアの衰退に関係があるのではないかといわれています。

ミトコンドリアがうまく働かなくなると、活性酸素が増加して脳の神経細胞が破壊され、記憶や判断力などの認知機能が低下していく、というものです。現在、有力な考え方であるとされています。

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